"村雨" 竹村一哲

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竹村一哲の初リーダー作です。
石田幹雄トリオで
板橋文夫トリオで
とアルバムも多数、ライブでも多く、そのパワフルな演奏を楽しませてもらってます。
が、初リーダー作では全く別の面々を連れてきてまして、
ギターに井上銘、
ピアノが魚返明未
ベースの三嶋大輝は、長らく荒武裕一朗とのトリオで活動していた人
 "Constant as the northern star" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64781512.html )
という布陣を組んできました。ちょっと驚き
井上銘(G)、魚返明未(P)、三嶋大輝(B)、竹村一哲(Ds)

演奏曲は、竹村が3曲(1,3,5)、魚返が2曲(2,7)のオリジナルと、Jack Walrath、Keith Jarrettで全部で7曲。
1.村雨
2.もず
3.A
4.Black Bats and Poles
5.RM
6.Spiral Dance
7.Lost Visions

冒頭こそドラムソロから始まるが、本編ではドラムが取り立てて目立つことはなくしっかりとしたバンドサウンドに仕上がっている。
曲調としては4ビートも含むが、アグレッシブなものが多く、狭義のジャズの範疇にはないような感じ
フロントはギターとピアノが担うことになるが、ディストーションのかかった粗めの音色を中心とした井上のギターに対して、アコピを程良い強さのタッチで奏でる魚返の美麗系のピアノという構図が浮かび上がる。
この対比も全体の印象としてはギターのインパクトが強いか。
フロントのピアノとギターのソロがたっぷりと用意されているのは当然として、3曲めでは三嶋のベースもフィーチャーされ、4曲めの後半ではドラムソロを披露、かと思えば7曲めではドラムが前面に出ないスローな曲で締めくくる(最後はドカドカやって終わるが)と、前述の通りバンドサウンドを重視した作風に仕上がっている。
初リーダー作としては、よく抑えたなと思う。
これまでフリージャズに近い方面での演奏が多かったという印象だが、ここで聴かせるロックテイストをも感じさせる演奏ってのが、もしかしたら本人が演りたかったものだったのかもしれない。
充分に素晴らしい演奏を楽しませてくれる。

ベストは5曲め

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