"Looking For Jupiter" 中島朱葉

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邦人の女性若手サックス奏者の活躍が活発で、纐纈歩美、纐纈雅代、守谷美由貴、小林香織、矢野沙織、寺久保エレナ等々と名前が出てきます。
実はほとんど聴けていないんですが、今日紹介の中島朱葉さんもそんな中の一人で、2020年末にライブを見てます。
 "浅利史花, 中島朱葉デュオ独壇場+ (20201214)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/479033736.html )
そのときMCでアルバムの準備が進んでいると言ってましたが、その初リーダー作が2021年6月になってようやくリリースされました。

メンツは
中島朱葉(As)、田中菜緒子(P)、伊藤勇司(B)、濱田省吾(Ds)

中島が5曲(1,3,4,5,8)、田中が1曲(2)、Hoagy CarmichaelとWayne Shorterが各1曲で全部で8曲。
1.Breakout
2.NYの思い出
3.Pisca-Pisca
4.雪のワルツ
5.Looking For Jupiter
6.Nearness Of You
7.Tell It Like It Is
8.After The Rain

全体にパリッとハキハキした音色で一貫した作風と感じたが、若さが良い塩梅に発揮されたという意味も含めてこの作風は素晴らしいと思う。
なにより、中島のキレの良いハキハキとした音色とフレーズの素晴らしさが第一印象になるくらい、確固としたサックスサウンドが光っている。
ドラムも、サックスのハキハキした音色に追随するように乾系の硬めの音色で、煽ったり寄り添ったりと、多彩なドラミングを聴かせる。
ピアノも、アグレッシブなところはしっかりアグレッシブに決めてきていて好感触。
5曲めのソロとか特に素晴らしいと感じられた。
前半でエレピを弾いている曲があるが、個人的には、生ピのほうが、彼女のスタイルにはあっているような気がする。
そんなわけで、速い曲でのハキハキとしたインパクトのある演奏も充分楽しいし聴き応えはあると思し、そちらに耳が惹きつけられる場面が多いのは間違いのないところ。
何回か聴いていて冷静に感じたところでは、実は持ち味としてスローな曲での表現のほうが良いような気がしてきていて、とくにサックスとピアノ(しかも生ピ)のコンビネーションは、スローな曲でより真価を発揮しているような気がするが本人としてはどうなのかちょっと気になる。
ベースもあまり目立つ感じではないが、しっかり聴いているとなかなか派手なフレーズを弾いていて、聴いてて楽しい。

ベストは5曲めにしましょう

"Looking For Jupiter" 中島朱葉 (https://www.amazon.co.jp/dp/B095P485C2/ )

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