"Open Sky" Art Hirahara
Art Hiraharaのピアノトリオを中心とした作品で、前作は2020年にリリースされたカルテット作でした。
"Balance Point" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/475116210.html )
Art Hiraharaのピアノトリオは、しばらくドラムがRudy Royston、ベースがLinda May Han Ohだったが、ベースのLinda May Han Ohが抜け、前作はJoe Martinを起用しているが、本作のBoris Kozlovで安定しそう。
本作に前後して、このトリオが参加したアルバムが複数リリースされており、安定した演奏を聴かせている。
"Still Doing Our Thing" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/483815714.html
このアルバムでは、その安定のピアノトリオに、上記"Still Doing Our Thing"のリーダーであるBehn Gilleceと、最近話題のサックス奏者Nicole Gloverをゲストに迎えている。
Art Hirahara(P)、Boris Kozlov(B)、Rudy Royston(Ds)
Behn Gillece(Vib:4) 、Nicole Glover(Ts:5,8/Ss:10)
演奏曲は、Art Hiraharaが9曲、Boris Kozlov、Rudy Roystonが各1曲のオリジナルと、スタンダード(11)、Duke Pearson曲で全部で13曲。
1.Groundswell
2.Inimitably, Mr. B.
3.Peony
4.Open Sky
5.Mia Bella
6.Não Tão Azul
7.Cittadella
8.Together, Apart
9.Sunday Morning
10.Weathered The Storm
11.I'm Getting Sentimental Over You
12.Empathy
13.Nightfall
前半は、ピアノのイントロから始まるミディアムテンポのほっこりとした曲が多めで、
3曲めがソロピアノ、4曲めがビブラフォン入り。
5曲めがサックスの入ったバラード、7曲めは抽象的なソロピアノ、10曲めがこれもサックスの入るがラテン調。
11曲がスウィング系の古いスタイルを交えながら聴かせる I'm Getting Sentimental Over You。
これまで1曲は入れていた日本由来の曲は、前作から入れなくなっていた。
全体の印象としては、
良い塩梅に混ぜこぜに出てくることで、展開のおもしろさと次は何がでてくるかというワクワク感とに繋がっている印象。
散漫な雰囲気にはならないのはピアノがしっかりと、アイデンティティを主張した演奏だからではなかろうか。
と、これは前作のとき書いたコメントだが本作でも同様の印象。
前作から作風が少し変わったのかもしれない。
曲調が、いろいろと変わるが、ベースにBoris Kozlovが入って、前述のとおり多くのアルバムをこなしてきているからか、多彩でありながら安定したピアノトリオの演奏を楽しむことができる。
これも、Boris Kozlovの実力と安定感が加わった故かもしれない。
コロコロとリリカルなピアノも、曲調と合わさってとても心地良く聴ける
Nicole Gloverは3曲で客演しているが、5曲めのバラードではしっとりとしながら味わいのあるサックスを、8曲めの高速4ビートではシーツオフサウンドもかくやと言うかなりアグレッシブなソロを聴かせる。
続くルディのドラムソロもまた素晴らしい。
10曲めでは、ラテンの明るいリズムにちょっとハズし多様なソロを入れ込んできてなかなか侮れない。
ベストは、6曲めにしましょう。
"Open Sky" Art Hirahara (https://www.amazon.co.jp/dp/B095GSG1D6/ )
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