"Silver Lining Suite" Hiromi
上原ひろみの新作は、弦楽四重奏との共演作。
これまでピアノトリオを中心にソロ少々とオーソドックスな構成での作品が多かったが、4年前の前作がハープとのデュオでここで趣向を変えた作品のリリースがありましたが、本作も引き続きの趣向変え作品ということになります。
"LIVE IN MONTREAL" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64291666.html )
もっとも、10年前には矢野顕子との共演作なんてのもありましたが。
"Get Together ~live In Tokyo~" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61039225.html )
本作は初回限定盤で購入していて、ボーナスディスクとしてソロのバラード集がついていました。
この紹介に続いて紹介の予定です。
本作のメンツは以下の通り。日本人の弦楽四重奏団が入ります。
上原ひろみ(P)、西江辰郎(Vln)、ビルマン聡平(Vln)、中 恵菜(Viola)、向井 航(Cello)
演奏曲は以下の通り。
1. Silver Lining Suite Isolation
2. Silver Lining Suite The Unknown
3. Silver Lining Suite Drifter's
4. Silver Lining Suite Fortitude
5. Uncertainly
6. Someday
7. Jumpstart
8. 11:49PM
9. Ribera Del Duero
ここ最近徐々にエモーショナルな表現が増えてきている印象だが、本作では弦楽器を加えることで、より技の凄さを前面には出さない作風になっている印象。
もっと言うと、凄技を弦楽器のサウンドでオブラートすることで、よりエモーショナルな雰囲気を前面に押し出してきているようなところも感じられる。
ただし、それが印象を悪くするような気配は一切なく、ピアノ(トリオ)だけでは表現できないようなさまざまな表現が弦楽器を加えることで拡大しているような、そんな感じなんだと思う。
もっとも曲によっては、弦楽器ともども熱い演奏に講じているような曲もあるし、それも皆揃ってまぁ楽しそうに演奏している様すら感じられ。
それでもって、上原らしい凄技を駆使した派手なピアノ捌きももちろん健在で、新しい一面を見せつつ、これまでの上原の魅力もしっかり味わえる作品に仕上がっていると思う。
5曲めがピアノソロで奏でられる曲だが、美麗な曲を、速さに依らず思い入れたっぷりに聴かせていて、筆舌に尽くし難いものがある。
実は、このユニットは2021年のフジロックでのライブ映像をネット配信で見て、ライブでの臨場感、およびその凄さを(画面越しとはいえ)垣間見て体感しているのだが、このアルバムからもこのバンドの凄さはしっかり感じ取れているつもりではあります。
ベストは6曲めでしょう。
"Silver Lining Suite" Hiromi (https://www.amazon.co.jp/dp/B098NSD3QB/ )
この記事へのコメント