"Strange Lands" Nicole Glover

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Nicole Gloverという女性サックス奏者のたぶん初リーダー作。
ただ、過去に参加作は聴いていて、Behn Gilleceの"Still Doing Our Thing" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/483815714.html )、
Art Hiraharaの"Open Sky" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/484130859.html )と2021年に立て続けにあります。
自blogを漁るとさらに2017年のMGeorge Colliganの"ore Powerfull" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64259254.html )なんてのも出てくるがこの時はまだ発展途上という感じだったか。
でもこの盤は、2017年の個人の年間ベストに挙げています。 https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64366990.html
きっとここにきて一気に実力を開花させてきているんじゃないかと思います。

本作はサックストリオを基本にGeorge Cablesのピアノがほぼ半分(4曲)で入る構成。
Nicole Glover(Ts)、George Cables(P:2,7,8,9)、Daniel Duke(B)、Nic Cacioppo(Ds)

演奏曲は、Nicole Glover、Daniel Dukeの共作が2曲、Nic Cacioppoが2曲、Daniel Dukeが1曲のオリジナル。
Antonio Carlos Jobim、Billy Strayhorn、Cole Porter他で全部で9曲。
1.Strange Lands
2.Hive Queen
3.The Twilight Zone
4.Dindi
5.Parks
6.The Switch
7.Notturno
8.A Flower is a Lovesome Thing
9.I Concentrate on You

前半が4ビートを含むノリの良い演奏が多め、後半になるとスローな曲の比率が増えてくる。
4曲め、8曲めがバラードな曲。
Nicole Gloverのはっきりと力感のあるパワフルな演奏が、ことのほか心地良い。
バラードなどのしっとりした曲でもしっとりとしたなかにも確たる意志を感じさせるような音を奏でていて、こんなところも、しっかりとNicole Gloverの魅力に繋がっている。
ほぼ半分の曲でピアノが入ってくるが、ピアノが入るとある種の音の厚みが感じられるのか、表現が広がり雰囲気が柔らかくなるような、リリカルな雰囲気が出てくるようなそんな印象を感じる。
ピアノ抜きの方がストイックなハードな演奏という様相になる。
ピアノを効果的に起用することで全体の印象がハードになり過ぎないようにしながら、表情に変化を加えて楽しませてくれる。
Nicole Gloverのサックスをたっぷりと堪能できる、演奏に特化して満足度の高いアルバムでした。

ベストは2曲め

"Strange Lands" Nicole Glover (https://www.amazon.co.jp/dp/B098BW64VZ/ )

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