"No One Is Anyone" Ember

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本作は、メンツにOrrin Evansの名前を見つけて買いを決めたもの。
Orrin Evansは、2021年のベスト(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/484945963.html)に挙げるくらい直前のリーダー作が素晴らしかったので、そのOrrin Evansの名前を見たら買わずにはおれなかったと..。

Emberというバンドは2017年にBrooklynで結成されたサックストリオで、2018年に1枚アルバムをだしていて、これが2枚めのリーダー作になるようです。

お目当てのOrrin Evansは、後半の4曲にだけ参加。
Caleb Wheeler Curtis(As)、Noah Garabedian(B)、Vinnie Sperrazza(Ds)、Orrin Evans(P:6-9)

演奏曲は、すべてメンバーのオリジナルで、Caleb Wheeler Curtisが4曲(1,5,6,7)、Noah Garabedianが2曲(2,9)、Vinnie Sperrazzaが3曲(3,8,10)で、3人共作が1曲(4)という内訳
1.Reanimation (Zombie Tune)
2.Josephine and Daphne
3.No One Is Any One
4.Pilot Light
5.Glass House
6.Peace of Deoxygenated Sleep
7.Thomas
8.Graceful Without Grace
9.Chia-Sized Standing Desk
10.Harvey Pekar

前半がサックストリオのパートで、後半がOrrin Evansが入るカルテットでの演奏。
前半のサックストリオのパートは、この楽器編成のサウンドというと多くの場合熱気溢れる、フルブローイングといった様相になるパターンが多いが、ここではファンクでフリーな方面に振った演奏が繰り広げられ、Ornette Colemanの影響がだいぶ含まれているような印象のもの。
さらにピアノが入る後半は、ピアノトリオに演奏を任せられる分サックスの音数が減りスピリチュアルさも包含したようなハードでヘヴィな演奏という様相が増してくる。
美旋律系の静かな曲と思わせて内向的なヘヴィな演奏の7曲めなんてのもあって侮れない。
いろんなジャズに聴き慣れているからかも知れないが、さらっと聴いているとテンポもフレーズもさらっと聴き流せるような感じではあるが、じっくりと聴き込んでいくと、演奏のハードさが身に沁みてくるような感じで、これを聴き応えがあると言うべきか、ただひたすらに隠れ難易度が高いと言うべきか、ちょっと判断に迷う。
おもしろい演奏もあるんですけどね..。

ベストは5曲めにしましょう。

"No One Is Anyone" Ember (https://www.amazon.co.jp/dp/B09DQP49DW/ )

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