"Scrawl" 加古隆
加古隆という名前は知っていたが、演っている音楽は実はよく知らない。
たぶんどっかでちょっと聞いていて、映画音楽、現代音楽とか、自分の聴取の範疇からは外れているという認識を持ったところで停まっているんでしょう。
本作は吉田哲治の参加作品ということで聴かせてもらったもの。
吉田は、永武とのデュオ作を出してまして、"Live at なってるハウス" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/484681577.html )、そんな話題のなかで出てきた盤だったと記憶。
最初とくに説明もなく音楽が鳴りだして、なかなかハードな演奏だなぁとジャケを手に取って??!となったところで、あらためてアルバムの全貌を聴かせてもらいました。
1987年の録音なので、リリースもその頃ということになります。
メンツは、最近ソロ作(https://www.amazon.co.jp/dp/B09NN3R227/ )をリリースした吉野弘志、惜しくも亡くなってしまった村上"ポンタ"を擁した2管クインテット。
加古隆(P)、井上淑彦(Ts,Ss)、吉田哲治(Tp)、吉野弘志(B)、村上"ポンタ"秀一(Ds)
演奏曲はすべて加古のオリジナルで良いと思います。
1. Snake Dance
2. Lazy
3. Mystique Waltz
4. From Tokyo
5. No Beards In Albania
6. Jardin De Monastere
7. Moon Clouds
8. Scrawl
ビートのしっかりしたリズムを基調にしたハードな演奏スタイルで、ちょっと驚く。
前述の通り、加古のピアノってこれまでしっかりとは聴いたことがないが、稀に耳に入ってくる範疇ではもっと柔い音楽をしているという先入観だったので、こんな演奏も過去にはあったんだとあらためて認識。
ここでの演奏は、村上ポンタのドラムと吉野のベースによる重量級のリズムがハードな印象を醸し、
中央線ジャズ系のロックと演歌とフリージャズの要素を孕んだような管楽器と相まってハードな雰囲気を醸し出す。
さらに、加古の演奏もちょっとスピリチュアルな気配を感じさせるもので、やっぱりハードな演奏という印象。
そして、全体に多少ダークな色調の曲であることも相まって固有の雰囲気ながらもなんとも格好良い。
加古隆ってこんな演奏してた人なのねと、ちょっと認識を新たにしたアルバムでした。
ベストは1曲めにします。
"Scrawl" 加古隆 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0000CD89A/ )
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