"Afternoon" 渋谷毅

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ジャズでのソロピアノからオーケストラ、はたまた映画音楽に歌謡曲、はてはおかあさんといっしょ、まで、幅広く活躍されている渋谷毅さんの全貌を知るイベントってのがありまして、これまでピンポイント的に聴いていた渋谷さんの作品と演奏とを系統的に聴かせてもらいました。
このイベントの中で、小編成でのピアノの素晴らしさにあらためて開眼した次第。(遅すぎ)

渋谷毅のソロアルバムは、4作品あるようで、これで3作品を聴いたことになります。
 "Famous Composers" "Famous Melodies" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/480926544.html )
このあと、現在録音中のものがあるようです。(2022年3月時点)

本作は、2002年にリリースされたもので、直前にリリースされた森山威男とのアルバムのために抑えたスタジオで、両者の録音では使わなかった余った時間に、プロデューサの提案で録音した音源が元になったという逸話があるとか...。
なので、元々はリリースの予定もなく、おそらく渋谷もそう気負っての演奏ではなかったのではないかと推測。
ちなみにその時録音されたアルバムは、"しーそー" (https://www.amazon.co.jp/dp/B00005NO50/ )なんだそうです。

そんな経緯で作られたアルバムは、ソロピアノです。
渋谷毅(P)

演奏曲は、渋谷のオリジナルが3曲で、他はスタンダードを揃えています。
01.I Didn't Know About You
02.Remain
03.Body And Soul
04.New York 19
05.Mighty Like The Blues
06.Stella By Starlight
07.You Don't Know What Love Is
08.Tarirari Blues
09.Monk's Mood
10.Beyond The Flames

溜めるところはしっかりと溜め、走るところは走り抜ける。
音を延ばすところ切るところで程良いメリハリをつけた、緩急を絶妙に織り交ぜた演奏。
音数が少ないわけでなはいが訥々とした印象を感じさせるのが見事な味わいでスウィング感もある。
渋谷の美学をたっぷりと含んだ演奏と言えるんでしょう。
前述の通り、たぶんそう気負わず気の向くままに演奏を進めていたんだと思うが、それが功を奏して魅力を満載した演奏に繋がったんじゃないか。
これだけ気持ちを持っていかれる味わい深さというか魅力というか素晴らしさというか。。。
実際のところ、どこに惹かれる要因があるんだろう?と思いながらうっとりと聴き惚れている次第。
なかなか言葉では言い表せない。

ベストは、10曲めに尽きるでしょう。

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