"Embryo" 佐藤浩一

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佐藤浩一の新作は、3枚めのリーダー作で2枚組でのリリース。
本作にもドラムで参加している福盛進也のレーベルNAGALUからのリリースで、このレーベルからはこの時点(2022年3月)で3枚のアルバムが出ているようです。

佐藤のこれまでのリーダー作はすべて聴いていて以下の通り。
ライブでも何回か聴いていまして
他に、本田珠也のリーダーライブが複数回。
そんななんでこのアルバムも興味津々ではあったのですが、このレーベルの作品はけっこうなプライスがついていまして、聴かせてもらっています(汗)

メンツは、ギター入りのカルテットに弦楽器が入ってくる構成。ここのところ弦楽器を入れたジャズってのが流行っているようです。
佐藤浩一(P)、市野元彦(G)、甲斐正樹(B)、福盛進也(Ds)
伊藤彩(Vln)、梶谷裕子(Vln)、吉田篤貴(Viola)、Robin Dupuy(Cello)

演奏曲はすべて佐藤のオリジナルで良いと思います。(未確認)
Disc 1
1.Hitoshizuku (一雫)
2.Genesis
3.First Cry
4.Aqua
5.Orb
6.Nami (波)
7.In The Dark
8.Closing Waltz
9.Draw
10.May Song
11.Hua
12.Ninth Moon
13.Sorakagami (空鏡)
14.Mother' Pool

Disc 2
1.Arise
2.Aqua
3.Ajisai (紫陽花)
4.Draw
5.Closing Waltz
6.Genesis
7.Kuchinashi (梔子)
8.First Cry
9.Balloon
10.In The Dark
11.Hua
12.May Song

ソロで演奏される1枚めは、温度感低めでメロディアスな感じが印象的なごくごく綺麗な演奏。
表情も豊かで聴いていて心が洗われていくような感じ。
佐藤の美意識がたっぷりと表現されていることをたっぷりと感じさせる演奏。
2枚めは複数の楽器が入った演奏で、1曲めが弦の擦過音とベースが印象的なドロッとした前半から、ギターが印象的なスピリチュアルな後半で、ちょっと異色。
2曲め、3曲めで、弦楽器の端正な響きが入ることで、こっちがこのパートの真骨頂かなと思ったが..。
ゆったりとした揺蕩うようなテンポの曲が並ぶが、ギター、ベース、弦楽器と、曲によってフィーチャーする楽器を変えていくことで、スピリチュアルだったり、幻想的だったりと言ったイメージの変化をさせていくような印象。
ドラムの出番は、かなり限定的でビート感のある演奏はほとんどない。
複数の楽器が入ることで表現の幅が広がってきてはいるが、こちらはこちらなりの佐藤の美意識がしっかり出ているなというのは感じられる。
個人的感想ではあるが、この作品は2枚組にせずに、それぞれでリリースしたほうが
それぞれの良さがより凝縮されたんじゃないかと思うのだが。
たぶんレーベルの方針として2枚組でのリリースなんでしょうけど、ちょっともったいないか。

ベストは、そんななんで、ディスクごとにさせてもらって、Disk1は4曲め、Disk2は7曲めにします。

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