"Nu" 高橋佑成 / 中牟礼貞則
若手の高橋佑成(1994生)と、重鎮の中牟礼貞則(1933生)のデュオという異色の組み合わせでのアルバムがリリースされました。(年の差60年超!)
高橋は、2015年に石若のライブで知って、初リーダー作?も入手しています。
"It's Easy to Remember" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63463922.html )
その後、世田谷トリオ、m゜feなどで聴いていますが自身の名義でのリーダー作は出ていないんじゃないかと思います。
"Introducing Setagaya Trio" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64491031.html )
"不_?黎゜pyro明//乱(l゜fe / de゜th)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/484765818.html )
中牟礼は、ライブは近所の名店で演ってくれるのでいろいろ見てますが、アルバムはあまり縁がなく、自blogでは近作を1枚だけ紹介しています。
"Detour Ahead: Live At Airegin" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/480250789.html )
メンツはそんな2人ということで
高橋佑成(P)、中牟礼貞則(G)
演奏曲は、Miles Davis, Thelonious Monk, Joseph Kosma, Johnny Greenに、高橋(6)、中牟礼(3)のオリジナルが各1曲、そして両者のインプロでの演奏が4曲(1,4,7,10)入ります。
1.ORU
2.NARDIS
3.IN A STREAM
4.NU
5.Straight no chaser
6.JARVI
7.ME_SS
8.AUTUMN LEAVES
9.Body AND SOUL
10.SEW
最初のインプロの冒頭のギターの数音で、中牟礼サウンドをしっかりと実感させる見事な個性を見せる。
続く高橋のBill Evansリスペクトを意識させる演奏が絡んでくると、こっちは高橋のピアニズムに圧倒させられる。
曲の構成としては、高橋が奏でるテーマに中牟礼が合いの手的フレーズを挟み込んでいくところから、各人のソロへと続くが、ソロのバッキングをそれぞれ絶妙に挟み込んでくるところが聴きどころ。
高橋のソロが若手有望株らしい最近のジャズらしい演奏を繰り出してくるのに対し、バッキングの中牟礼のザクザクとした演奏が重厚かつ冴え冴えと響く。
インプロ曲では、高橋が主導権を握るような展開から、中牟礼の繰り出す合いの手的フレーズを引き出し、今度はその中牟礼フレーズに呼応して高橋が従になる演奏へと変化していくような進行が多めか。
双方が双方の個性を尊重しつつ、自身の個性を発揮しており、世代の差を感じさせつつも違和感のないサウンドに仕上がっている。
この化学変化がこのアルバムの真骨頂なんでしょう。
宣伝では中牟礼がインプロを演っていることが表に出ることが多いが、高橋とのコラボレーションの素晴らしさもしっかり聴くべきところ。
ベストは2曲めにしましょう。
"Nu" 高橋佑成 / 中牟礼貞則 (https://www.amazon.co.jp/dp/B09QMCC7QZ/ )
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