"Chopin Project" Kurt Rosenwinkel
Kurt Rosenwinkelの新作はショパンを題材にしたもの。
前作がピアノを弾いたアルバムだったのでなんらか因果はありそうな気もするが、本作はギターを弾いてます。
"Plays Piano" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/485983366.html)
ギタリストとしてのリーダー作は、2020年の"Angels Around"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474875971.html )以来ということになるのか?
クラシックを題材にしたジャズ作ってのはいくつかあるが、ショパンを題材にしたものがあったかと過去作を漁ってみたら、
Peter Beetsの"Chopin Meets The Blues" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60052405.html)
小曽根真の"Road To Chopin" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59598174.html )
なんてのが見つかった。
メンツはカルテット
Kurt Rosenwinkel(G)、Jean-Paul Brodbeck(P)、Lukas Traxel(B)、Jorge Rossy(Ds)
Jorge Rossyは元Brad Mehldauトリオの人、Jean-Paul Brodbeckはリーダー作を聴いてました。
"Hang On Hippie" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58776096.html)
Lukas Traxelだへ初らしい。
演奏曲は以下の通り。
1.Étude in E-flat minor (Op. 10, No. 6)
2.Prélude in E-flat minor (Op. 28, No. 14)
3.‘Raindrop’ Prélude in D-flat major (Op. 28, No. 15)
4.Valse in C-sharp minor (Op. 64, No. 2)
5.Prélude in C major (Op. 28, No. 1)
6.Nouvelle Étude in A-flat major (No. 2)
7.Prélude in B minor (Op. 28, No. 6)
8.Nocturne in C-sharp minor (Op. 27, No. 1)
9.Prélude in A minor (Op. 28, No. 2)
10.Prélude in E major (Op. 28, No. 9)
11.Mazurka in F minor (Op. 68 No. 4)
これは、正直なかなかな力作だと思う。
曲はたしかにショパンではあるが、その演奏は、テーマ(主旋律)こそショパンのそれだが、演奏はコンテンポラリジャズの範疇にどっぷりはまったもので、クラシックの素養はほぼ感じないで充分たっぷりと楽しめる。
テーマ(主旋律)を多少のアレンジをしつつ根本は踏襲し、そこにコードを割り当てて進行を作り、さらにジャズなビートを前面的に取り入れるアレンジを施しているんだと思うが、ここまでジャズになるか、するか!という感じ。
シンバルのカツカツと刻むレガートとベースのフレーズが作る推進力が、ジャズ度を高めている。
さらにピアノの主にバッキングが、これまたジャジーで格好良い。
Kurt Rosenwinkelのソロは元曲がなんであろうと圧倒的なKurt Rosenwinkelワールドを噴出させる。
これがたまらないw
前述のPeter Beets盤を改めて聴きなおしたが、こちらはオーソドックスなジャズに仕上げていて、なかなか良い完成度だと思った。
個人的には、Kurt Rosenwinkelのこっちに萌える。
ベストは3曲めにしましょう
"Chopin Project" Kurt Rosenwinkel (https://www.amazon.co.jp/dp/B09WRTJL48/ )
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