"Falling Grace" Romain Pilon

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Romain Pilonのリーダー作を聴くのはこれが3枚め。
 "Ny3" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/472950777.html ) こっちは2011年の作品
"Copper"は、ゲストにPierre de Bethmann、Seamus Blakeが入っていたのがきっかけで聴いたんですが、"Ny3"は、Matt Brewer, Colin Stranahan、本作はJeff Ballardとなかなかいいメンツを揃えているところが興味深い。

Romain Pilon(Gr)、Yoni Zelnik(B)、Jeff Ballard(Ds)

演奏曲は以下の通りで、Romain Pilonお気に入りのスタンダードを演奏しているとのこと。
1.Falling Grace
2.Textures
3.Side Car
4.Lament
5.Bye Ya
6.Interlude
7.Sweet And Lovely
8.Golden Earrings
9.By Myself
10.Horace-Scope
11.Nicolette

曲はスタンダードだが、演奏はオーソドックスにはならずコンテンポラリな仕上がり。
Romain Pilonのギターは、響きを綺麗に効かせた音色で、美麗に美麗に聴かせギター音の美しさが映える。
全体にそう速いフレーズを多用するわけではないが、淀みなくサラりと奏でることでゆったりな曲の心地良さを引き出している。
Yoni Zelnikのベースは、そんな曲調を壊さないよう、ギターフレーズの邪魔にならないようあまり音数を足さないところで控えめに下支えしている感じ。
ここでのJeff Ballardのドラムは、スネアを叩く甲高い音が特徴的で、シンバルとともに高めの音を主体にしたドラミングで、Jeff Ballardとしてはちょっと珍しいスタイルな気がする。
スタンダードを中心とする選曲だが、程よくゆったりめな方面へ曲を崩すことで独自の世界を作り上げているような印象。
全体に心地良く聴いているが、演奏する側は音色とか音数とかのバランスとか、いろいろ丁寧に調整し気を使って作っているんだろうなと思わせるところもある。

ベストは、ちょっとアヴァンギャルドな3曲めにします。

"Falling Grace" Romain Pilon (https://www.amazon.co.jp/dp/B09QQTLQZY/ )

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