"Shifting Sands" Avishai Cohen
ベーシストのAvishai Cohenのリーダー作は2021年の"Two Roses"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/482825606.html )以来。
Avishai Cohenは、イスラエル色の濃い作品とジャズ色の濃い作品が交互にリリースしているようで、前作がイスラエル色の濃い作品だったので、本作はジャズ色の濃い作品で、シンプルなメンツを見ればジャズである予想はつきます。
ピアノトリオのアルバムは2015年の"From Darkness" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63132183.html )以来で、このときのピアニストがNitai Hershkovitsで、この盤も凄かったがその後のNitai Hershkovitsも凄かった。
本作のピアニストは、Elchin Shirinovで、すでにリーダー作"Waiting" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/475369441.html )をリリースしている。
過去には、Shai Maestro "Night of Magic" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61871897.html )も連れてきているAvishai Cohenの(イスラエルから)新人招聘能力はあらためて凄いことを認識している。
Roni Kaspiは、21歳の女性ドラマーとのことで、これから注目の逸材なんでしょう。
Avishai Cohen(B)、Elchin Shirinov(P)、Roni Kaspi(Ds)
演奏曲は、すべてAvishai Cohenのオリジナル。
01 Intertwined
02 The Window
03 Dvash
04 Joy
05 Below
06 Shifting Sands
07 Cha Cha Rom
08 Hitragut
09 Videogame
10 Kinderblock
曲としては、これまで同様に、中東系イスラエルなフレーズを散りばめたもので、これはすでにAvishai Cohenのサウンドとして確立されたものと言っても良いでしょう。
Elchin Shirinovのピアノは、元曲がそうなので速いフレーズも含まれるが、ピアノの響きを意識したような演奏で、この前のリーダー作よりは全体にオーソドックスな振る舞いといった様相で、個人的にはこっちの演奏のほうが格好良いし、合っているような気がしている。
Roni Kaspiのドラムは、リズム表現の多彩さ、リフの入れ方が絶妙に格好良くて、新世代ドラマーなんだろうなと感じているが..。
とくに4曲めとか、かなりアグレッシブに暴れまわる格好良い演奏をしていて萌える。
Avishai Cohenは、アルコ弾きでテーマを奏でたり多彩な演奏で魅せてくれるのはこれまで通りで、さすがの巧さを魅せる。
が、これまでのアルバムと比べて、他の2人をフィーチャーしている場面が多い印象があって、とくにピアノとの絡みの面白さを追求に注力しているような場面が多い印象。
そのぶん、前面で自己主張する場面は少なめか。
ベストは6曲めにしましょう。
"Shifting Sands" Avishai Cohen (https://www.amazon.co.jp/dp/B09VY8SC7F/ )
この記事へのコメント