"Healing Power" Steve Cardenas

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Steve Cardenasのリーダー作を聴くのは、2020年の"Blue Has A Range"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/477487384.html )以来。
実は、2018年の"Charlie & Paul"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/486161109.html )をその後に聴かせてもらってて、Charlie Hadenの曲とPaul Motianの曲だけを演奏しているアルバムでした。
本作は、Carla Bleyの曲ばかりを集めた作品。
こういうちょっと前の名手の名曲を集めた作品集を今後も作っていくのかもしれません。
Carla Bley集は、渋谷毅さんが同じようなタイミングでソロピアノ作を出してます。
 "カーラ・ブレイが好き!!" (https://www.amazon.co.jp/dp/B09YLCY3S9/ )

メンツは、サックス、ギター、ベースという変則編成のトリオ。
ピアノ、ドラムレスというこの編成は相当珍しいと思うが..。
Steve Cardenas(G)、Ben Allison(B)、Ted Nash(Ts,Ss,Cl)

演奏曲は前述の通り、Carla Bleyの曲ばかり。
1. Ida Lupino
2. Donkey
3. And Now, the Queen
4. Ictus
5. Lawns
6. Ad Infinitum
7. Olhos de Gato
8. King Korn
9. Healing Power

ドラムが入らないので、音への意識がビートではなく旋律に集中するところが、Carla Bleyの曲の素晴らしさを充分に魅せるには最高の戦略で、見事と思わせる。
Carla Bleyの曲を意識して聴いていなくても、こんだけジャズを聞いていると、そこここでこの旋律知ってる!
というフレーズが出てきてあらためてCarla Bleyの偉大さを思い知る。
ギターがイントロと主旋律の端緒とおかず的な旋律を奏で露払い的な立ち位置をキープする。
そして満を辞してお待たせしましたという感じに、サックスが美しい主旋律を奏でるという構図。
ソロは、大半の曲ではサックスが先に出てくるが、その後に登場するギターの独壇場然とした見事なソロが圧巻。
ベースは淡々とリズムを刻むことで主役である美旋律に意識を集中させる。
が、このベースの思いをたっぷりと詰め込んだようなソロがまた素晴らしい
しかし、Carla Bleyは良い曲を書くなぁとあらためて認識した次第

ベストは5曲め

"Healing Power" Steve Cardenas (https://www.amazon.co.jp/dp/B09YMMMC8P/ )

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