"Alive At The Village Vanguard" Fred Hersch / Esperanza Spalding

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Fred HerschとEsperanza Spaldingのデュオ作がリリースになりました。
ただし、Esperanza Spaldingはベースを弾かずボーカルだけ。
Fred Herschは、Village Vanguardで定期的にいろいろな人とのデュオでの演奏を行っているそうで、その一環としてEsperanza Spaldingとも2013年に一度共演しているそう。
本作録音の直前にJazz Standardで共演しており、そのときはトリオを含む様々な組み合わせでの演奏をしたそうで、そのためか、Esperanza Spaldingから、今回はボーカルに専念したいとの申し出があったとのこと。
個人的には、Esperanza Spaldingにはベース演奏を期待したいところだが、前作がちょっと風変わりな作品だったこともあり、Fred Herschとの共演でどんなサウンドを聴かせてくれるか興味津々であります。

メンツは、デュオということで2人。
Fred Hersch(P)、Esperanza Spalding(Vo)

演奏曲は、スタンダードを中心にFred Herschの曲が数曲紛れるような構成。
解説によるとEsperanza Spaldingがストレートにジャズスタンダードを歌うのは、これが初なんだそう。
1.But Not For Me
2.Dream Of Monk
3.Little Suede Shoes
4.Girl Talk
5.Evidence
6.Some Other Time
7.Loro
8.A Wish

Fred Herschの演奏がシリアスな雰囲気を感じさせる場面がほとんどないところが、ある意味凄いなと感じる。
粒立ちの良い音でほとんど自由闊達な演奏をしていながら(正確には、そう感じさせながら)、ボーカルをいっさい邪魔していないフレーズ使いの秀逸さに驚嘆
Esperanza Spaldingの歌唱に感じるある種の可愛さに呼応してなんだと思うが、Fred Herschがリフにかわいさを感じさせるフレーズを紛れ込ませているところが微笑ましい。
そんな伴奏に乗っかって、Esperanza Spaldingが気持ちよさそうに歌い、アドリブをスキャットで、いわゆるストレートなジャズボーカルの範疇での歌唱をしていて、こちらも自由奔放と言った様相で、実に気持ちよさそうに声を出している。
曲によって、アドリブの場面で、聴衆の笑い声から、ユーモアのある言葉を喋っている場面が聴かれるほど、ノってるし気持ちよく歌っていることがうかがい知れる。
Fred HerschのピアノとEsperanza Spaldingのボイスのどちらが主という感じではなく、両者が対等な立場で望んでいる感じがするのと、お互いがお互いのサウンドを楽しんでいる感じが良い雰囲気で実に素晴らしい。

ベストは2曲めにしましょう。

"Alive At The Village Vanguard" Fred Hersch / Esperanza Spalding (https://www.amazon.co.jp/dp/B0BML8PHTD/ )

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