"Live Concert Tokyo 1974" 近藤等則,梅津和時,土取利行

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1974年5月15日に東京青山VAN99ホールで行われたライヴ音源が発見されCD化されたもので、これが梅津さんの初レコーディングらしいです。これは聴かせてもらいました。
この直後に、梅津さんはNYへ武者修行に行き、1975年に"生活向上委員会ニューヨーク支部" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63896773.html )が録音され、帰国した1976年に"集団疎開" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a32084777.html )が録音されたという流れになるようです。
宣伝文によると、元々は、近藤、土取で活動していたところに、他の面々が参加するような状況だったらしい。

近藤等則(Tp)、梅津和時(As)、土取利行(Ds)

演奏曲は、インプロばっかり3曲。
1 Improvisation 1
2 Improvisation 2
3 Improvisation 3

冒頭、ドラムとトランペットによる競演から。
ズドズドドカドカいうドラムに、バリバリとトランペットが吠えるようなサウンド。
ひとしきりのデュオでの演奏から、おもむろにギリギリとした咆哮で梅津が参戦し3者が3者3様に暴れ回る
一般的には暴力的なサウンドってことになると思うが、聴いていて恐ろしいとか、おどろおどろしいとか、シリアスなとか、そんな感想は微塵も感じられず。
さりとて、フリージャスにありがちな、ユーモラスとか、笑ってしまうサウンドとかとも異なる。
感動とは異なるが、聴き応えのあるサウンドであること、個人的にはとても楽しく聴いている。
こんなサウンドを楽しめているのは、「フリージャズ耳」が肥えてきたが故に違いない。
梅津さんは、この頃から今まで音楽性に揺るぎがないなぁと感じられる。
この頃から自分が知っている梅津サウンドだと感じられる。
たた、同じテイストで延々と吹き続けるよりは、次々と異なるテイストの演奏に変化していく場面はこの頃のほうが多いような印象は持ったか。
1曲めの最後がそこはかとなくユニゾンで終わるのが鳥肌もん。
3曲めも、和太鼓然としたドラムソロから突然のユニゾンで終わり、意表をつかれる。

長尺の3曲なんでベストは決めないことにします。

"Live Concert Tokyo 1974" 近藤等則,梅津和時,土取利行 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0B9WRL1HW/ )

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