"Verdant Valley" Art Hirahara

2_352.jpg
Art Hiraharaのレギュラートリオ作で近作は以下の通り。
リーダー作は上記の通りだが、このトリオ(またはそのうちの2人)のサイド参加での登場頻度は尋常でなく、直近の参加作を漁ると下記のようにぞろぞろと出てくる。
Alex Sipiaginの "Ascent To The Blues" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/491049587.html )
Blue Moods名義での "Myth & Wisdom" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/488222338.html )

本作は、盤石のレギュラートリオにDonny McCaslinが半分の曲に客演したもの。
Art Hirahara(P)、Boris Kozlov(B)、Rudy Royston(Ds)
Donny McCaslin(Ts:1,3,5,7,9 As:11)

演奏曲は、Art Hiraharaが8曲、Wayne Shorter、Boris Koslov、Rudy Roystonが各1曲で全部で11曲。
1.Zero Hour
2.Verdant Valley
3.The Shadowist
4.Truth Called Love
5.Symbiosis
6.Sphere Of The Muses
7.Escherian Steps
8.Lost
9.Danza Por Arte
10.Ships Passing
11.I Used To Love Her

1曲ごとに、ピアノトリオとワンホーンカルテットの演奏が交互にあらわれる。
ピアノトリオの演奏はエレガントな雰囲気をそこはかとなく醸すような演奏、カルテットのほうはビートの効いたハードな演奏になっている印象。
Art Hiraharaのピアノは従来からの印象通り美旋律系ではあるが、ここではタッチがこれまでのアルバムより強めに感じられる。
Boris Kozlovのベースは、なんといっても2曲めのアルコで前面に出た演奏が圧巻。
これだけ熱い演奏だとRudy Roystonのダイナミックなドラムがよく映える。
Donny McCaslinのクールでジャジーなサックスが実に格好良い。
2023年6月の久々のリーダー作が出る予定だが、期待感は高まるばかり。
いずれの演奏も、これまでのArt Hirahara Trioの演奏に較べて圧倒的にダイナミックでアグレッシブでエキサイティングな演奏になっていて、かなり気に入っている。
とくにサックスが入ったことでノリの良さがいや増して、全編こんな演奏でも良かったのにと思うくらい。
最後の曲だけDonny McCaslinがフルートを演奏、エモーショナルに締めくくられる。

昨年(2022年)の年間ベストにほぼ同じメンツの Boris Kozlov盤 (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/488427266.html )を挙げたが、もしかしたらこっちがベストだったかも。というくらい気に入っている。

ベストは5曲めでしょう。

"Verdant Valley" Art Hirahara (https://www.amazon.co.jp/dp/B0B3SHNNLK/ )

この記事へのコメント