“Got The Keys To The Kingdom: Live At The Village Vanguard” Chris Potter

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純然たるChris Potterのリーダー作としては、2021年の作品以来ということになるのか。
参加作は、Jim Mcneelyの "Rituals" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/488970746.html )他多数あるが、近作ではJohn Patitucciの"Live in Italy" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/495215288.html )が素晴らしかった。

本作のメンツは、最近意表を突いたところで名前を見かけるCraig Tabornのピアノに、名手Scott Colleyと、Pat Metheny Side Eyeに入っていたMarcus Gilmoreという布陣。
Chris Potter(Ts)、Craig Taborn(P)、Scott Colley(B)、Marcus Gilmore(Ds)

演奏曲は、Mississippi Fred McDowell, Amazon民謡, Billy Strayhorn, Charlie Parker, Antonil Carlos Jobim, traditionalと様々なところから持ってきた曲が並ぶ。
1.You Gotta Move
2.Nozani Na
3.Blood Count
4.Klactoveedsedstene
5.Olha Maria
6.Got The Keys To The Kingdom

冒頭、これまでのChris Potter作とちょっと毛色の違う雰囲気を感じてオッと思う。
曲調もあると思うが、たぶん、演奏自体も抑えるところを押さえた演奏をしているんじゃないかと推測。
Chris Potterの、前述含む地に足がついたという形容が良さそうと感じる抑えを効かせながらがっつりとしたソロをとる場面が、オハコのブチ切れ系のソロもさることながら、表現力増強てな感じで素晴らしい
Craig Tabornの要所でみせるピアノソロでのブチ切れフリーが良いアクセントになっていて、これがかなり際立っている
ドラムのMarcus Gilmoreも終始気合いの入ったドラミングという様相で、とくに3曲め後半での彩りの添え方の巧さ、最後の曲の後半の煽り方とか尋常ではない
3曲めの緊張感あるスローな演奏、4曲めのノリの良い4ビート、5曲めの名曲を気持ちを込めて吹き切るChris Potterと、聴き応えたっぷりな演奏が並ぶ。
オーソドックスなジャズとは言わないが4ビートを含むアコースティック主体で、
全体にChris Potterのオハコといえる変拍子とか難解な曲を採用せず、骨太なサウンドに終始していて非常に格好良い
ライブ録音なので1曲にしっかり時間をとって、じっくりたっぷり聴かせてくれるのも満足度が高いし、さらに聴衆の熱気までも伝わってくるところがなお素晴らしい

ベストは6曲めにします

“Got The Keys To The Kingdom: Live At The Village Vanguard” Chris Potter (https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNLKQVRL/ )

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