"Polarity" Dan Rosenboom

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Dan Rosenboomという1982生れのトランぺッターのリーダー作。
本人のhp(https://danrosenboom.com/discography )を見るとすでに30枚くらいのリーダー作を発表している人。
が、個人的にはこれまで縁がなかったようで、自blogを漁ってもリーダー作も参加作も出てきませんでした。
メンツとしては、なんといってJohn Escreetの参加が気になるところ。

そんなメンツは2管クインテット編成で以下のとおり。
Dan Rosenboom(Tp,Flh)、Gavin Templeton(As,Bs)、John Escreet(P,Key)、Billy Mohler(B)、Damion Reid(Ds)

演奏曲はすべてDan Rosenboomのオリジナル。当初は即興だけでアルバムを作る予定だったらしいが結局はDan Rosenboom集に落ち着いたらしい。
1.The Age of Snakes
2.A Paper Tiger
3.Walking Shadows
4. War Money
5.On Summoning the Will
6.Ikigai
7.Tidal Mirror
8.Minotaur

シンプルなパターンのドラムにドロリとしたベースのリズムにトランペットとサックスのユニゾンでも奏でられるテーマとそれに続く即興。
しっかりとアレンジができているフリージャズ(Ornette Colemanもそういう感じという意味で)とか、モーダルでシリアスな曲調が中心となる。
ただし、演奏(特にドラム)に勢いがあるので、クセはあっても難易度はそう高くないと思う。
それよりも1曲めが約20分という長尺で、そのほうがハードルが高い気はしている。(以降他の曲は7分前後の曲が並ぶ)
全体に一種独特な雰囲気を醸していて、その要因はサックスのGavin Templetonの演奏にあると思われるが、かなりな癖ものという印象。
主役のDan Rosenboomのトランペットは、ちょっと暖色系の透明感のある音色なので、これでフリー系に振っていてもそうおどろおどろしい感じにはなっていない
John Escreetは基本的に脇役という役割分担を担っているという感じで、ピアノによるバッキング的な演奏が中心となるが、良い感じに演奏を締めるように作用していると思う。
1曲めではシンセの電子音での装飾なんてことも披露、 3曲めでは速いフレーズの格好良いソロを披露するする場面もあり、5曲めでのエモーショナルなピアノソロも素晴らしい。
完全に個人的嗜好故だと思うが、フロントの管楽器を横目?で聴きながら、耳の大半はJohn Escreetのピアノを聴いているような場面が多く、それで充分満足しているような感じ。

ベストは3曲め

"Polarity" Dan Rosenboom (https://www.amazon.co.jp/dp/B0BZMTZJPB/ )

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