"You Are The Song" Jean Michel Pilc

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Jean Michel Pilcも新譜を見つけたら入手を試みるミュージシャンですが、欧州だとすべてが入手できるわけでもなく、買い逃していた旧作になるとさらに入手は困難になってくることになります。
自blogを漁ると、以下のような感じでずらりと並びますが、これでもすべてではないことは本人のhp(https://www.jeanmichelpilc.com/discography ), wikiなどを見るとわかります。
 "Alive -Live At Diese Onze Montreal" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/489821571.html )2022
 "What Is This Thing Called?"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63090782.html )2015
 "live at iridium, new york"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a21451247.html )2005
とくに近作は買い逃しが多くなってますが、国内の流通にのらなかった作品もあったんじゃないかと推測。
本作は、いまは他のサイトでも出てますが、自分がみたときは1か所だけに出てて、メンツが良かったので速攻入手をしたもの。

そのメンツは、"TOGETHER", "Threedom"などと同じ、古くからの盟友によるトリオ。
Jean-Michel Pilc(P)、François Moutin(B)、Ari Hoenig(Ds)

演奏曲は、以下のとおりスタンダードを中心としたもの。
1. Impressions
2. The Song Is You
3. Straight No Chaser
4. Bemsha Swing
5. You Are the Song
6. Searing Congress
7. Dear Old Stockholm
8. Thin Air
9. After You've Gone
10. Alice in Wonderland / My Romance

曲目としては、ずらりとスタンダードかそれに準ずる曲名が並ぶが、そんな曲をもろともせずに、至るところに他の曲をぶっ込んでくる。
冒頭曲でのMilestones、6曲めではBolero、サンタが街には9曲めでした、7曲めのラストでは山下洋輔までもが顔を出す!
他にも聴いたことのあるフレーズがちょっと形を変えてそこここに表れてきていて、Jean-Michel Pilcの魅力を最大限に楽しませてくれる。
ピアノのJean-Michel Pilcは、テーマは、フレーズとかテンポとか、両方とか、絶妙にアウトさせるところが持ち味で、これは従来から不変。そもそもこれが彼の演奏の気持ち良いところのひとつという認識。
ソロになると、短めのセンテンスを繋げていくような感じで、そこに上述のように有名曲をはめ込んでいる所作が絶妙。
これがさらなる彼の魅力で、こちらこそ真骨頂であることは間違い無いでしょう。
さらに、部分的に抒情的かつ美麗な長めのソロを披露していて、これがエモい。
ここぞというタイミングでがっつり痒いところに手を差し伸べてくるような美旋律で、こういうところが心憎い。
Ari Hoenigの、全体の演奏にあわせているので派手ではないが、ツボを抑えつつ縦横無尽に立ち回り、それでいて曲の雰囲気には寄り添うドラムの秀逸さ
François Moutinの繊細でかつメロディアスでありながら太いサウンドを奏でるベースも相変わらず素晴らしい。

ベストは5曲めにします。

"You Are The Song" Jean Michel Pilc (https://www.amazon.co.jp/dp/B0BW6D48DC )

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