"Thanks For Emily" 浅利史花
昨年、初リーダー作をリリースした浅利史花の2枚めのリーダー作が早くも登場。
前作は、"Introducin'" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/479798147.html )
メンツは、前作はデビュー作ということで、曲ごとにメンツを変えた百花繚乱的なものでした。
本作では、固定メンバーを若手で揃えたカルテット編成。(三嶋が最年長(32)になると思う。
そこに2曲で管楽器が客演。
壷阪は、中村海斗のリーダー作で聴いている。
"BLAQUE DAWN"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/499021152.html )
三嶋は、荒武裕一朗のトリオでよく聴いていた人
"Constant as the northern star" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64781512.html )
ドラムの山崎隼は、2001年生の超若手。
浅利史花(G)、壷阪健登(P)、三嶋大輝(B)、山崎隼(Ds)
片山士駿(Fl:7)、曽我部泰紀(Ts:6)
演奏曲は、タイトルのとおりEmily Remlerへのオマージュを題材にしたもので、浅利のオリジナルが5曲、Antonio Carlos Jobim, Jimmy Van Heusen, Emily Remlerという構成。
1. Thanks For Emily
2. How Insensitive
3. Lonely New Year
4. I Thought About You
5. Routine
6. Go To Bed
7. Samba De Ameijoa
8. Polkadots And Moonbeams
9. Blues For Herb
選曲(=曲の強度)もさることながら、音色もフレーズもこれしかないという確たる自信みたいなものが感じられる演奏に、浅利さんの実力がメキメキと向上していることを明確に実感。
これまでジャズギターの王道的なオーソドックスなサウンドを聴く機会が多かったと思うが、ここでは、より多彩なスタイルをしっかり弾きこなしていて、エモーショナルでグルーヴィに幅広くなった表現の幅を存分に披露した聴き応えのあるアルバムに仕上がっている印象
メンバーの面々もリーダーの演奏の素養を認識してなのか、しっかりがっつりのバッキングで背面を鉄壁に仕立て上げている
とくに壷坂のピアノがダイナミックでメロディアスな演奏が素晴らしく、全体のバックアップとして機能する部分と、花を添えるようなキラキラしたサウンドを入れてくる部分と、双方にしっかりと効いているところが素晴らしい
中ほどの 2曲で管楽器が入るがこれも良いアクセントとして機能している。
個人的には7曲めのフルートの方が好感触な印象。
2曲め冒頭での三嶋のベースによるテーマがなんとも艶かしくて良い雰囲気を醸していて、ここも聴き所になっていると思う。
個人的にはこの2曲めのボサノバから3曲めのGrant Greenばりのファンクな曲への流れがけっこうに気に入っていて、こういう曲順を作るセンスも好感触
ベストは3曲めにしましょう。
"Thanks For Emily" 浅利史花 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0BW96LL85/ )
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