"All One" Ben Wendel
Ben Wendelのリーダー作を聴くのはこれが3枚め。
過去の記事は以下の通り。
"High Heart" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/479435636.html )
この2作はメンツの良さで購入を決めているところがありまして、本作についてはスルーしてたのですが聴く機会をいただきました。
メンツは、すべての曲にBen Wendelが入るのは当然として、あとは曲ごとにゲストが入るような陣容になってます。白眉は6曲めのTigran Hamasyanでしょう。
Ben Wendel(Ts,Ss)
Cecile McLorin Salvant(Vo:1)、Terence Blanchard(Tp:2)、Bill Frisell(G:3)、Elena Pinderhughes(Fl:4)、Jose James(Vo:5)、Tigran Hamasyan(P:6)
演奏曲はBen Wendelのオリジナルが3曲、Bill Frisellが1曲に、George Gershwin、Walter Grossで全部で6曲。
1. I Loves You Porgy
2. Wanderers
3. Throughout
4. Speak Joy
5. Tenderly
6. In Anima
上述の通りクレジット上、Ben Wendel以外は各曲にゲストを迎えたような記し方で、ベースもドラムもなし、ピアノも限られた曲にしか登場しないことになっている。
実際の演奏でも、たしかにドラムもベースも登場してこない。
が、全編にわたって木管楽器による緻密に構築されたしっかりとしたアンサンブルが奏でられているので、これはBen Wendelによる多重録音であろうことが推測できる。
最近はいろいろ、シンセ使ったり純粋電子音だったり対応は可能だと思うが、ここではそつのない演奏だとは思うが、でも実際に演奏したものだと思う。低音はコントラバスサックスとか使っていそう。
このアンサンブルのうえに、さらにBen Wendelのサックス、ゲストの演奏(歌唱)がソロとして乗っかってくるような作風。
全部で6曲で、ほぼBen Wendel1人での演奏と思われるので、ジャズ的なインパクトはそう強いものではなくほっこりとした雰囲気を感じさせる音の重なりを作り出したサウンド。
そういうところも含めて1曲め5曲めのボーカルのインパクトはかなりなものがあると感じられ、この 2曲の支配力は相当大きい。
6曲めでは全体的に少しエフェクトをかけ、Tigran Hamasyanのミニマルなフレーズと相まって幻惑感浮遊感のあるサウンドを聴かせる。
総じては、ベースドラムの入らないラージアンサンブルとして一貫性のあるクオリティはかなり高いアルバムになってると思う。
ベストは4曲めにしましょう
"All One" Ben Wendel (https://www.amazon.co.jp/dp/B0BT2PW4DP/ )
この記事へのコメント
なるほど。
Roland Kirkは思い浮かばなかったですが、言われてみるとなんとなく判るような。。。