"Dream Box" Pat Metheny

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Pat Methenyの新作はソロ作です。
これまでのソロ作は以下のとおりになるようですが、Orchestrionはソロ作と言っていいものかどうか...。
 Zero Tolerance for Silence (https://www.amazon.co.jp/dp/B000008BQO/ )

本作の出自についてはインタビュー記事(https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/34499 )を見ながら書いている。
本作は過去から録り溜めた音源からピックアップしたものだそうで、新作というよりは未発表曲集といったほうがよいものらしいが、世に出すことをPat Metheny本人が決めるくらい「僕の何たるかの一部を埋めてくれるもの」という内容になっているんでしょう。
Pat Metheny(G)

演奏曲は以下のとおり、オリジナルだけでなく他の人の曲(5,6,8)も採用されている。
オリジナルは既発表曲はないと思うが。。
1.The Waves Are Not The Ocean
2.From The Mountains
3.Ole & Gard
4.Trust Your Angels
5.Never Was Love
6.I Fall In Love Too Easily
7.P.C. of Belgium
8.Morning Of The Carnival
9.Clouds Can't Change the Sky

ミディアムスロー〜スローくらいのテンポでゆったりとしたテンポで奏でられるギターサウンド。
宣伝文には「録り溜めてあった音源からの選りすぐり」みたいな文言があったが、最新録音と言っても違和感がないくらいの、まったく古びないメセニーサウンドがたっぷりと詰まっている。
さらに、「低音部の伴奏(と単純に言い切れない)にあたる演奏を先に録音し、後から主旋律から即興にあたる演奏を重ねて、その2つの録音を別人格のような気分で演奏を重ねていったような新鮮な気分で挑んだ。」みたいな記載もあり、超絶の名手による1人多重優録音。
わざわざ言われなくても充分にクオリティの高い演奏が記録されているのは理解できるが、曲を完成させるという意志を持って録音していないはずなのに、この完成度の高さは尋常でないものを感じさせる。
さらにさらに、「エレクトリックギターでアコースティックギターのようなサウンド」なんて語もあったが、これは永らく演奏しているなかでのモットーみたいなものらしいので、そういう意味ではこれまでのPat Methenyのギターの音色がまさにこれに合致している印象もあり、ここでも同じスタンスでしっかり演奏がされている。
という能書きを気にしつつ聴くのもまぁ良いのだが、聴くにあたっては、この美麗、流麗、華麗、壮麗、この上もなく素晴らしいサウンドにひたすらに酔いしれるに限る。

個人的に、アップテンポの曲に惹かれるのはいつものことなので、ベストは5曲めにさせていただきます

"Dream Box" Pat Metheny (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C1K6F69R/ )

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