"Our Waning Love" 謝明諺&スガダイロー
先ごろ(2023年6月)来日して、多くのミュージシャンと共演していた謝明諺が、A New Little Oneと共演したアルバムが出ました。
来日時のライブ告知をさらってみると以下のような錚々たる面々とセッションをしていました。
スガダイロー、細井徳太郎、秋元修
田中真理、坂本健志、吉峯勇二郎
永武幹子、高橋陸、類家心平、池沢龍作
林栄一
市野元彦、津上研太、外山明、
この先頭に記載されているのが、A New Little Oneで、たぶんこの盤のリリースにあわせての来日だと思うが、この面々で3回(名古屋、水戸、新宿)ライブを行ったよう。
そのA New Little Oneの近作は先日聴いていて紹介しています。
謝明諺(シェ・ミンイェン)は台湾のフリージャズ系のサックス奏者とのことですが、この盤を知ったのと上述の来日情報で名前を知った人。
それ以上の情報はインタビュー(https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/34816?page=3 )を読んでみてください。
スガダイローのアルバムはできるだけ聴きたいというところで購入に及んでいるため、購入時点で謝明諺がどんな演奏をするかは知りませんでした。
メンツは上述のとおり、A New Little Oneの3人に謝明諺が入ったカルテット。
謝明諺(Ss:2,4,6、Ts:1,3,5,7)、スガダイロー(P)、細井徳太郎(G)、秋元 修(Ds)
演奏曲は、6曲目を除いて謝明諺のオリジナル。6曲めはスガダイロー作。
1. Our Waning Love
2. Tide
3. Switch It
4. Chamakana
5. Ann
6. A Little Rag...For You
7. This Thing
謝明諺のサックスは、最初の印象が音色が綺麗で綺麗な演奏をする人だなぁというもの。
もっとも、冒頭こそ端正なテーマを端正に演奏しているが、曲が進んでくるとテーマからその後の即興とかまでなかなかエグいフレーズをかましてきていて侮れない。
そんなサックスを迎え撃つスガのピアノは、美麗フレーズからフリーまで、五月雨連打な演奏も駆使したダイロー特有のフレーをたっぷりと縦横無尽に繰り出す実に見事なもの。
とはいえ、なんだかんだで一番強烈なのは細井のギターで、たぶん前作のトリオ以上にここでの細井のギターのはっちゃけ具合は特段の破壊力を持っている。
5曲めでスローで内省的な曲で美しいけど重めの曲で、がらっと雰囲気を変えてくる。
さらに続く6曲めが、打って変わってのタイトルの通りラグタイムな曲で、こちらは一気に明度が上がる。
そんな曲展開の乱高下もかなり驚かされる。
ベストは4曲め
"Our Waning Love" 謝明諺&スガダイロー (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5S1J1QC/ )
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