"Plays Herbie Hancock" Mike Clark

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Head HuntersのドラマーだったMike ClarkによるHerbie Hancock集。
そんな出自ではありますが、シンプルなピアノトリオというところが、どう料理しているのか気になるところ。

メンツですが、自blogを漁っても誰一人引っかかってきませんでした。
Head Huntersもいくつ聴いてます(全部ではない)が、このblogを始める前。
Jon Davisは、Brian MelvinのJaco Pastorius参加の”Standard Zone” (https://www.amazon.co.jp/dp/B000000IA1/ )のピアニストだったようです。
Mike Clark(Ds)、Jon Davis(P)、Leon Lee Dorsey(B)

選曲は、Speak Like A Childからが多く、その他に、Maiden Voyage, Takin’ Off, Maiden Voyage等BlueNote時代の曲が多めに選ばれている。
超有名曲というよりは、タイトルは知ってるがテーマがするっとでてくるかというと。。。な選曲なんじゃないかと(自分のことは棚上げ(汗))

1.Toys
2.Speak Like A Child
3.Dual Force
4.Dolphin Dance
5.Sorcerer
6.Chan's Song Never Said
7.Empty Pockets
8.Actual Proof

よく言えば、Herbie Hancockの曲は素材としてのみ採用しており、自身のサウンドをしっかり確保しながら、曲の良さを引き出しているような感じ。
悪く言うと、否が応でも比較対象として厳然として存在するHerbie Hancockの演奏と比して、それよりインパクトのあるサウンドを作り出しているかというと、それはかなっていないかなという印象。
ピアノは、テーマは元曲から大きくは崩さないで弾ききり、即興もコーダルで常識的な範疇でのアドリブに終始しており、アウトするような技は駆使していないようなもの。(演奏する人が聴いてどう思うかは知らんが)
リズムも同様にそう攻めてはおらず、テンポもビートもはっきりわかるような範疇での演奏が主体。
感極まってテンションが上がっていくようなアグレッシブな演奏も入らず、クールにオーソドックスなジャズとして聴かせる。

Head Huntersの元メンバーが奏でるHerbie Hancock集だからと、とんがった演奏を期待するとちょっと期待外れに感じるか。
Herbie Hancockの作曲、愛奏した曲の素材の良さを愛でる作品であることを肝に銘じて聴けば、心地良いオーソドクスなジャズを楽しむことができるような作品。
Herbie Hancockの作曲した曲の良さは、演奏の良さで引き出されているものではなく、そもそもの素材としても充分にクオリティの高いものであることを伝えているような作品という解釈で良いと思います。
当初、尖がった演奏を期待したので・・・だったが、聴き方を変えていくことでこのアルバムの良さをじわじわと感じてきたようなところがある。

ベストは7曲めにしましょう。

"Plays Herbie Hancock" Mike Clark (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C7KBPWXY/ )

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