"I Want More" Donny McCaslin

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Donny McCaslinのリーダー作としては、2018年の"Blow"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64667303.html )以来ということになる。
参加作もいくつか聴いてましてめぼしいところを見繕うと以下のような感じ。
 Boris Kozlovの "First Things First" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/488427266.html )
 Art Hiraharaの "Verdant Valley" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/498049060.html )
Donny McCaslinというと前作もそうだし、David Bowieの遺作 "★" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63600921.html )でもエレクトリックなサウンドが前面に出ていたが、これら参加作ではオーソドクスなジャズに戻ってきているような印象を持っていたので、この新作もオーソドクス系かと思っていたがジャケットを見て、大筋では変わってないなと..。

メンツは、1行めの4人が主体となったもので、曲により数人が加わっている。
Donny McCaslin(Sax)、Jason Lindner(Syn)、Tim Lefebvre(B)、Mark Guiliana(Ds)
Chris Bullock(Kbd:3)、Jannek Zechner(kbd:3)
Sara Caswell(Vln:5,7)、Joyce Hammann(Vln:5,7)、Lois Martin(Viola:5,7)、Jody Redhage Ferber(Cello:5,7)

演奏曲はすべてDonny McCaslinのオリジナルで全部で8曲。
1.Stria
2.Fly My Space Ship
3.Hold Me Tight
4.Body Blow
5.Big Screen
6.Turbo
7.Landsdown
8.I Want More

16ビート、8ビートのリズムパターンとしてはシンプルだが、乾系のドラムにシンセらしい音色のベース、さらにジェイソンの奏でるシンセによる多彩な電子的なサウンド、エフェクト音をこれでもかと効かせたバックトラック。
ここに、こちらも負けないくらいしっかりと電気処理を施したサックスが乗っかってくる。
程よく重量感のあるドラムが迫力のあるサウンドを醸し、無機的でありながら強いグルーヴ感を感じさせるベース。
この両者による強力なビートが心地良いグルーヴを感じさせる。
サックスも音としては相当いじっているが、演奏自体はエモーショナルな雰囲気を感じさせるくらい見事な表現を魅せる。
7曲めとか、数曲でちょろっと入る勇壮な弦楽器の響きも良いアクセントになっている。
シンセで作っている音かと思ってたら後からクレジットを見たら本当に4人揃えていた!

全体の印象として、ジャズらしからぬ(と言って良いでしょう)エレクトリックでメカニカルなサウンドではあるが、各奏者ごとの演奏も含めて、ど派手でノリの良い、めっぽう格好良い演奏は、実に聴き応えのあるものに仕上がってます。
かなハマってます。

ベストは4曲めにします。

"I Want More" Donny McCaslin (https://www.amazon.co.jp/dp/B0BKWKJB5R/ )

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