"Red Door" Orrin Evans
Orrin Evansのリーダー作を聴くのは、2021年の "Magic Of Now" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/484577512.html )以来ということになります。
この時は、Immanuel Wilkinsの参加が気になっての購入でしたが、えらく格好良くとても気に入ったので、2021年の年間ベストの3枚に選んでいます。
本作は、2管クインテット編成が中心だが、中堅というより重鎮に近い面々を揃えているところが特筆的。
Gary Thomasなんてここのところリーダー作は皆無だし、自blogを漁ると、2021年の Noah Haiduのアルバムで2曲客演しているのが見つかるくらい。
大昔はリーダー作含めいろいろ聴いていたんですけどね..。
ここに、いくつかの曲にゲストが入ってくるような構成。
Orrin Evans(P)、Nicholas Payton(Tp)、Gary Thomas(Ts, Fl)、Robert Hurst(B)、 Marvin Smitty Smith(Ds)、
Wallace Roney(Tp:9), Larry McKenna(Ts:4)、Buster Williams(B:4,9)、Gene Jackson(Ds:4,9)、
Jazzmeia Horn(Vo:5), Sy Smith(Vo:7)、Alita Moses(Vo:11)
演奏曲は、Orrin Evansのオリジナルが共作を含めて4曲に、Sacha Distel、Randy Newman、Williams Walker、Geri Allen、
Jerome Kern、Ralph Perterson Jr.、Stevie Wonder、Roger Kellawayなんて名前が並ぶ。
1.Red Door
2.Weezy
3.Phoebe's Stroll
4.The Good Life
5.Big Small
6.Dexter's Tune
7.Amazing Grace
8.Feed The Fire
9.All The Things You Are
10.Smoke Rings
11.They Won't Go
基本が 2管によるクインテットによる演奏。
モーダルな雰囲気のある楽曲、がっつりなハードバップな4ビート、美麗なピアノトリオで奏でられる曲、さらにバラード。
さらにさらに3曲でボーカルが入りと、多種多様なサウンドが次々とあらわれる。
百花繚乱といえば聞こえは良いが、どちらかと言うととっ散らかってしまっているような印象か。
個々の演奏で聴きどころを意識して聴くと、4曲めで客演しているLarry McKennaのいぶし銀テナーの渋い低音がなかなか見事。
9曲めのWallace Roneyの冒頭のソロの堂々としたハリのある演奏が素晴らしく、そこから続くOrrin EvansのピアノソロがHerbie Hancockばりで、おぉっとなる。
曲名がAll The Things You Areだとわかるのは演奏の最後の1フレーズという展開。
10曲めのいかにもな 2管のハードバップアンサンブルも、これまた単純に格好良い。
ジャケットデザインも奇抜だったし、なんらかの心境の変化、あるいはその予兆を意図的にも含め、感じさせるような作品という気がしたが..。
解説文には、The Bad Plusを脱退して、自身(とその周囲)の価値観に回帰した作品なんて記述があるが、
タイトル曲は、The Bad Plusの"Activate Infinity" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/472950883.html )に入ってた曲だし..。うーむ。。。
ベストは1曲めにしましょう。
"Red Door" Orrin Evans (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C1P3R327/ )
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