"Short Stories" Vicente Archer

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Vicente Archerの参加作は多数聴いているのですが、リーダー作が出てこない。
少しネット検索をしてみたが、もしかしたらこれが初リーダー作なのかもしれません。
参加作をいくつか見繕うが、実は同じリーダーで複数作が出てくるレギュラーグループのメンバー然としている。
 Robert Glasper "Double Booked" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58824746.html )

本作はJohn Scofieldの "Combo 66" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64646176.html )から主役を除いた3人という陣容でした。
Vicente Archer(B)、Gerald Clayton(P)、Bill Stewart(Ds)

演奏曲はVicente Archerが3曲、Gerald Claytonが1曲、Bill Stewartが2曲のオリジナルと、Jeremy Pelt、Pat Metheny、Nicolas Paytonが各1曲で、Nicolas Paytonが2Takeという内容
1.Mirai
2.Round Comes Round
3.Space Acres
4.Lighthouse
5.Drop of Dusk
6.13/14
7.Message To A Friend
8.Bye Nashville
9.It Takes Two To Know One
10.It Takes Two To Know One (Alt)

ベースのVicente Archerがさすがにリーダーだけあって、そうでなくても太めの音色で目立つのに音量も大きめのベースを聴かせる。
さらにソロもしっかりたっぷり時間をとって披露されるのでかなりな存在感を見せる。
多彩なシンバルワークを駆使しながら絶妙なタイム感をみせる色彩豊かなサウンド。
変化球をたっぷりと含んだドラミングは相変わらず格好良いBill Stewartのドラム。
冒頭曲こそエレピだが、その後はアコピに徹してのノリ良くリリカルな演奏からスピリチュアルな雰囲気を持った美しいフレーズとか凝ったサウンドを聴かせるGerald Claytonのピアノ。
3曲めがペースソロで、7曲めがドラムレスのデュオ、9曲めがピアノレスのデュオ、とトリオ編成のアルバムでありながらちょろっとした変化球を入れてくるのがにくいところ。
7曲めがメセニーの聴き馴染んだフレーズで、これはちょっとホッとするような感じ。
全体にフリーではなくテンポ感も明瞭だが、リズムキープするような演奏は誰もしておらず、そういう意味でひと筋縄ではいかない演奏ではあるが、コンテンポラリ系のピアノトリオらしい色彩豊かな演奏。
かなりな聴き応えのある演奏をたっぷりと楽しむことができる

ベストは8曲め

"Short Stories" Vicente Archer (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C25RDJPM/ )

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