"Open Spaces" Daniel Hersog

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本作は、Kurt Rosenwinkelの名前を見つけて購入を決めたもの。
Daniel Hersogはバンクーバーを拠点に活躍しているトランぺッターで、彼のオーケストラ(Daniel Hersog Jazz Orchestra)の2作めとのこと。
1作めは、"Night Devoid Of Stars" (https://www.amazon.co.jp/dp/B083VQMBN8/ )で2020年にリリースされてました。
このバンドでは、Daniel Hersogはクレジット上Conductorだけなので演奏はしていなさそう。

メンツは以下のとおりで、Kurt Rosenwinkel以外にも知ってる名前、聴いてる名前はありそうだが、細かくは未調査。
しかし、ビッグバンドのメンバーとしてKurt Rosenwinkelが入っているのは、実に驚くべきこと。
Daniel Hersog(Cond)
Ben Kono(Oboe,Ss,Fl,Cl)、Ben Henriques(As,Ss,Cl)、Noah Preminger(Ts)、Tom Keenlyside(Fl,Piccolo,Ts)、Scott Robinson(Bs,BCl,Fl)
Michael Kim(Tp,Flh)、Brad Turner(Tp,Flh)、Derry Byrne(Tp,Flh)、Jocelyn Waugh(Tp,Flh)
Jeremy Berkman(Tb)、Jim Hopson(Tb,Euphonium)、Andrew Porrier(Tb)、Sharman King(BTb)
Kurt Rosenwinkel(G)、Frank Carlberg(P)、Kim Cass(B)、Dan Weiss(Ds)

演奏曲は、Daniel Hersogの6曲のオリジナル、Gordon Lightfoot,Rob Bakerに、Traditionalが2曲(4,10)入っているのが特筆事項。
1.The Wreck Of The Edmund Fitzgerald
2.How Many Roads
3.Ahead By A Century
4.Shenandoah
5.I Hear
6.Jib Set
7.Canadian Folk Song
8.Rentrer
9.Sarracenia Purpurea
10.Red River Valley

非4ビート多めのラージアンサンブル系というのが全体の印象。
多くの管楽器によるアンサンブルが美旋律を奏でていくのが主旋律から、短いセンテンスを数回繰り返し、次のセンテンスに移るようなバッキングにと、通奏音としてサウンドの骨格を形成。
曲調は、ほっこり系から陽性系多幸感溢れるような、聴いていて癒されるというか気持ちが安らいでいくようなもので非常に心地よい。
そこにソロイストが感情豊かに、時に荒めな音色も含めた即興を乗っけていく。
このバックとフロントとの性格の異なるサウンドの対比が固有の雰囲気を作り出しているような感じ。
ここがDaniel Hersogのアレンジの高評価の所以なんだろうなと思わせる。
サックスとか管楽器のソロから、その途中でピアノが絡んできて色彩豊かな展開に拡がっていくような場面も見事であれば、そのピアノのソロもフリースタイルから端正なフレーズ、さらにアウトフレーズ、アヴァンギャルドな展開へと、管楽器のアンサンブルとのくっきりとした音の対比を作り出していて印象的なサウンドを聴かせる。
気になるKurt Rosenwinkelは、すべての曲で登場しているわけではなさそうだが、2曲めではテーマのアンサンブルの一端を担っていたり、出番の大半がソロであるのは間違いないが、純粋ソロイストという立ち位置ではないところが冒頭記載のとおり一員として入り込んでいる凄さ。

ベストは 2曲めにしましょう

"Open Spaces" Daniel Hersog (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C267DT42/ )

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