"Seven Shades Of Violet (Rebiralost)" Michael Echaniz

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Michael Echanizというアメリカ西海岸で活動しているピアニストのデビュー作。
宣伝文には、病気療養期間がありアルバムを作成するまでの準備期間を充分とれたような記述があり、しっかりと準備し緻密に構築されたサウンドが楽しめるとのこと。

メンツは、学生時代に知り合ったJeff DensonとDillon Vadoとのピアノトリオを中心としたもので以下のとおり曲によりゲストも多数参加している。
Jeff Densonは過去にリーダー作を聴いており、近作は"Finding Light"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/498145474.html )
Michael Echaniz(P,Kbd)、Jeff Denson(B)、Dillon Vado(Ds)
Danielle Wertz(Vo:1-4)、Molly Pease(Vo:M8,9,11)
Dann Zinn(Ts:8)、Silvestre Martinez (Per:9)、Lu Salcedo(G:8)、Shay Salhov(As:9)、Erik Jekabson(Tp:9)、John Gove(Tb:9)
Friction Quartet(Strings:4,10)

演奏曲はMichael Echanizのオリジナルが9曲に、Wayne Shorter, Sky Ferreiraの曲を加えて全部で11曲。
1. Prologue
2. Seven Shades of Violet
3. Proxima Centauri
4. Clockwork
5. Interlude
6. Prince of Darkness (Wayne Shorter)
7. Edelretni
8. Everything is Embarrassing (SkyFerreira)
9. Gernika(Bask Balms)
10. Fantaisie 73
11. Epilogue

前半はピアノのアルペジオな演奏とボイスが目立ち、ビート感も希薄あまり強調されない。
クラシック的というか、オペラ的というか、プログレのような雰囲気をも感じるようなサウンド。
さらに少しだけ中東とかエスニックなフレーバーも入っているか。
中程は、シンセは入るが基本的にはピアノトリオを中心としたサウンドで、ドラムがもう少ししっかり仕事をしているところがジャズ濃度濃いめに感じられる。
後半は、ジャズの幅を広げていくような方向性が強めになって、ボーカルが目立ったり、弦楽器が前面に出てきたり、ビートを意識しないメロディアスで物語性のあるサウンドに振れていく。
中心となる楽器がピアノトリオにボイスが入っているだけなのだが、とても厚みのあるサウンドになっていて、
緻密に複雑に構築された音楽であることが感じられる。
聴いていて漠然と感じたことなのだが、
Robert Glasperとかその界隈の面々が嗜好しているブラックミュージックの系譜にあるサウンドから黒い要素あるいはアメリカな要素をごっそり抜いて、白い要素あるいはヨーロッパ的な要素に置き換えて料理すると、こういうサウンドになるんじゃないかということ。

ベストは11曲めにしましょう

"Seven Shades Of Violet (Rebiralost)" Michael Echaniz (https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBQDLRVB/ )

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