"Beyond Orbits" 挾間美帆
現在、挾間は2つのバンドを抱えていて、1つはこのm_unit、もう1つはDR Bigband。
本作は、m_unitによる3枚めのアルバムということになります。
過去作は以下のとおり。
"Journey to Journey" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61742419.html )
"Time River" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63486002.html )
メンツは、ちゃんと確認していませんが、M_unitとして核になる人はいそうですが、流動的なパートもありそう。
来日公演は、すべて日本人で演ってました。
Miho Hazama(Cond)
Steve Wilson(As,Ss,Fl)、Jeremy Powell(Ts,Cl)、Jason Rigby(Ts,Cl)、Andrew Gutauskas(Bs,Bcl)、Jonathan Powell(Tp,Flh)、Adam Unsworth(Flh)
Tomoko Akaboshi(Vln)、Ben Russell(Vln)、Maria Im(Vln)、Atsuki Yoshida(Viola)、Matt Consul(Viola)、Meaghan Burke(Cello)
James Shipp(Vib)、Billy Test(P)、Sam Anning(B)、Jake Goldbas(Ds)
Christian McBride(B:3)、Immanuel Wilkins(As:8)
演奏曲は、すべて挾間のオリジナルで全部で7曲。
1. Abeam
2. A Monk in Ascending and Descending
Exoplanet Suite
3. I)Elliptical Orbit
4. II)Three Sunlights
5. III)Planet Nine
6. Canʼt Hide Love
7. Portrait of Guess
8. From Life Comes Beauty
弦楽器と管楽器(こちらは主にサックス)とが交互に前面に出て様々なフレーズを重ねていく。
その間を取り持ちながら、自由にフレーズを振り撒いていくようなホルン(とトランペット)という構図で次々と場面を変えて展開していくアレンジが実に楽しい。
曲によって、弦楽器の動きが活発化したり、管楽器の動きが活発化したり、そんな変化が非常に心地良い。
4曲めは組曲の中間部だからか、ビート感希薄で、弦楽器の出番が多い。
6曲めの後半では、サンバを基調におもちゃ箱をひっくり返したようななんて場面も。
全体に、いろんな楽器が複雑なフレーズを駆使して、かなり複雑に絡み合っていて、演奏するには大変そうなアレンジであろうことは、演奏しない身にもひしひしと感じとれる。
もっとも、聴いてるだけの身としては、複雑な雰囲気は感じつつも展開はドラマチックでありながら、ノリが良く気持ち良く聴き通せるサウンドで、全編聴き通しても全然飽きさせないクオリティを持っていて、満足度も充分高く、思わず演奏に没頭してしまう。
いろんな楽器のソロもテンションも高く濃度の高い演奏で、まったくこちらもたっぷりと楽しめる。
この演奏の肝になっているのはたぶんドラマーで、インプロとか創造的な演奏という感じではないのだが、非常に複雑なパターンを、テンポを一切乱さずに、がっつりキープし続けることで、上に乗っかるその他全てのサウンドの根幹を成している。
このドラムあってのM_Unitになってきているんじゃないかと勘繰ったが..。日本では、伊吹文裕が担っていた。
ベストは1曲めでしょう
"Beyond Orbits" 挾間美帆 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C7BHYTPZ/ )
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