"Refract" Blankfor.ms
本作は、Jason Moran, Marcus Gilmoreの名前を見て買いを決めているので、リーダーのBlankFor.msという人はあまり意識していなかった。
そんな状況なので少し調べてみると、「ブルックリンを拠点とするアンビエント・アーティスト、Tyler GilmoreことBlankFor.ms」なんて文が見つかった。
そんななんで、出てくるサウンドもジャズというよりはテクノとかアンビエントとかそんな範疇に近いような印象。
メンツは上述のとおりの以下の3人
BlankFor.ms(Electronics)、Jason Moran(P)、Marcus Gilmore(Ds)
演奏曲はBlankFor.msの作品ということになると思うが、聴いた感じだとすべて即興のような気がする。
Tape Loopと題されたものはベースになる音はそのタイトル通りなんでしょう。
1. Onset I
2. Onset II
3. Tape Loop A
4. Affectionate Painful
5. Inward Curve
6. Tape Loop B I
7. Tape Loop B II
8. Tape Loop B III
9. Eighth Pose
10. Stir
11. Release
12. Little Known
13. Tape Loop C I
14. Tape Loop C II
15. Tape Loop C III
16. Tape Loop D
BlankFor.msの作り出す電子音は、広義のシンセサイザーということになると思うが、鍵盤というより、つまみがたくさんあるような楽器が作り出している音という感じ。
持続音がほとんどで、プチッとかパチッというような鋭角的にパルシブな音はほぼ出してこない。
そこに、アコピとエレピの両方を使っていると思われるピアノの音が絡んできて、それぞれに影響しあって即興を繰り広げていくような作風。
クレジットにはドラムも記載されているが、すべての曲というわけではない。
曲によっては登場しない曲もあるし、あまり目立っていない曲もある。
スネア多用の曲と、シンバル多用の曲がドラムらしいサウンドだったか。
もしかしたら電子音のなかにMarcus Gilmoreが叩いているものもあるのかもしれない。
通奏的にシンセによるいわゆるスペイシーな音が鳴り続けている場面が多いので、ごく初期のWeatherReportをちょっと彷彿とさせるような音作りも多少感じられる。
全体的に2~3者が相互に影響しあう即興サウンドという様相で、しっかりと曲の構造をみせているところはほぼ皆無で抽象的なサウンドではあるが、相応に起承転結的な展開がみられるから興味深く聴き続けられる。
Jason Moranのピアノがたっぷりフィーチャされた曲がいくつかあり、そんなところはなかなかの満足度が感じられて、個人的には聴き応えもしっかり感じている。
ベストは5曲めにしましょう。
"Refract" Blankfor.ms (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C8X43F4J/ )
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