"Mesmerism" Tyshawn Sorey

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最近話題のドラマーであるTyshawn Soreyの新作 "Continuing" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/500936536.html ) を先日紹介しましたが、それに前後して前作を購入しましたのでその紹介です。
一般的には、新作よりこちらが良いと言われているらしいですが、当初は自主制作だったらしく相応の値段だったのでスルーしていました。
最近になって一般発売されたようで値がこなれてきたところで購入に至ってます。

メンツはその新作と同じ以下の3人。
Tyshawn Sorey(Ds)、Aaron Diehl(P)、Matt Brewer(B)

演奏曲は、Horace Silver, Harb Ellis, Paul Motianなどで全部で6曲。
1.Enchantment
2.Detour Ahead
3.Autumn Leaves
4.From Time To Time
5.Two Over One
6.REM Blues

全体にこの前に聴いた作品と同様にゆったりめのテンポの曲が並ぶが、こちらはスタンダードが主で、1曲あたりの演奏時間もそう長くはない。
選んでいる曲はスタンダードが多めだが、元曲からかなり崩しており、元曲がわかる部分もあるが、大胆なアレンジが施されていてどこを演ってるか迷う部分も多い。
Aaron Diehlの粒立ち良くハリのあるピアノでのテーマが曲の印象を強くし、続く即興では、Aaron Diehl自身のピアノの美しさを印象付ける。
Matt Brewerの野太くもよく歌うベースが、こちらも迫力ある低音の力感をしっかりと印象付ける
肝心のTyshawn Soreyのドラムは、Elvin JonesとかPaul Motianとかがタイム感に自由度を大きく取り入れたテンポ感での表現で創造性を拡げていくタイプだとすると、Tyshawn Soreyは、ドラムの音の表情、音色の多彩さで表現の幅を拡げていくようなタイプで、本作はこっちの楽しさを興味深く聴いている。
この辺の印象は、先日紹介のアルバムとほぼ変わらない。
これまで前者のスタイルのドラムに聞き耳を立てていることが多かったが、このTyshawn Soreyは自分の聞き耳を拡げる存在になっていると思う。

ベストは 2曲めにしましょう

"Mesmerism" Tyshawn Sorey (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C3JGLCXS/ )

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