"Life Songs" Marshall Gilkes
Marshall Gilkesは、おもにMaria Schneider Orchestra のメンツとして聴いているトロンボーン奏者のリーダー作で、メンツを見てもわかる通り大所帯の作品。
前作は聴かせていただいてましたが、今作と同様の大所帯ではあるが、あちらは実力者揃いのカルテットが中心となっているような感じだったが、こちらは大所帯が主役になってます。
"Cyclic Journey" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/498335472.html )
メンツは
前作は、上述のとおりカルテットが中心で、Aaron Parks, Linda May Han Oh, Johnathan Blake
と錚々たる名前が並んでいたが、本作は。。。眺めまわしてもしてる名前がないような...。
Marshall Gilkes(Tb)
Johan Horlen(As,Ss,Fl,Cl)、Pascal Bartoszak(As,Fl,Cl)、Ben Fitzpatrick(Ts,Cl)、Paul Heller(Ts,Cl:6)、Jens Neufang(Bs,Bcl)
Andy Haderer(Tp,Flh)、Wim Both(Tp,Flh)、Rob Bruynen(Tp,Flh)、Ruud Breuls(Tp,Flh)
Ludwig Nuss(Tb)、Raphael Klemm(Tb)、Peter Hedrich(Tb)、Andy Hunter(Tb:6)、Mattis Cederberg(Btb,Tuba)
Billy Test(P)、John Goldsby(B)、Hans Dekker(Ds)
Sabeth Perez(Vo:5)
演奏曲は7曲のMarshall Gilkesのオリジナルと、traditional(5),Richard Rodgers(8)で全部で9曲。
1. Fresh Start
2. Back In The Groove
3. Cora's Tune
4. My Unanswered Prayer
5. All The Pretty Little Horses
6. Middle Ground
7. Sin Filtro
8. This Nearly Was Mine
9. Sugar Rush
一聴、ノリの良さを維持した上での、曲の美しさ、ハーモニーの美しさが尋常ではない。
言葉としては美しいという語に集約されるが、その微妙かつ絶妙な和音使いが繊細なハーモニーを形成していて、ひたすらうっとりと聴き惚れるような感じ。
楽器編成としては、5本の木管楽器、4本のトランペット、5本のトロンボーン、それにピアノとベースと、ギターもその他の楽器も入らない極々オーソドックスなもの。
それでいて出てくる音はオーソドックスな編成のビッグバンドとは一線を画す得も言われぬ美しさを聴かせる。
個人的な気分としては、一番最初にMaria Schneider(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a49866431.html )を聴いた時にたまげたのですが、そんなような感じ方をしている。
当人の実力とセンスもさることながら、長年Maria Schneiderのサウンドを形作る一員として活動してきたことが、ここでの美意識に繋がっていることは容易に想像でき、その相乗効果が尋常でないことになっている
ソロはMarshall Gilkesのトロンボーンが多めなのは当然として、トランペット、サックス、その他とバランス良く配置。
いずれも曲の美しさを損なわず、それでいてテンションを上げていくような即興で実に見事。
5曲めで女性ボーカルが入るが、言葉が判らない日本人としては歌詞を聴くというよりは声音的にも楽器的な印象。
6曲めはラテン調リズムで、中程での複数のトロンボーンでの五月雨ソロはちょっとした迫力。
ベストは1曲めでしょう
"Life Songs" Marshall Gilkes (https://www.amazon.co.jp/dp/B0CN6HBJQ9 )
この記事へのコメント