"BON" Akira Ishiguro

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NY在住で、そちらで活動を続けているギタリストである石黒晃のたぶん2枚めのリーダーアルバム。
ただし、1枚めとなる下記は、2014年のものでしかもたぶん自主制作。
なので、本作が実質的には初リーダー作になるんでしょう。
それ故にメンツが豪華であると..。

そんなわけで、石黒の演奏はこれまで聴いたことはなく、またどこかで名前を聞いた記憶もありません。
購入動機は前述の通り豪華なメンツで、黒田卓也, Chris Potter, 加藤真亜沙なんて名前を見つけて気になってたということ。
Akira Ishiguro(G)、Jim Robertson(B)、John Hadfield(Ds)
Takuya Kuroda(Tp:1,3,4,6,9)、Sergej Avanesov(Ts:2,3,6,7,10)、Chris Potter(Ts:8)、Samuel Blais(As:7)
Martha Kato(P,Key)、Henry Hey(Keys:3,6)、Brian Donohoe(Syn:4)、Peter Schwebs(B:8)、Devin Collins(Ds:2,4,5)、Rodrigo Recabarren(Ds:8)、Keita Ogawa(Per:1,2,6,7,9)

演奏曲は下記10曲、すべて石黒のオリジナル。
01. Brazil
02. Brain
03. Monster
04. 1212
05. Lionel
06. Bon
07. Enchant
08. Align
09. Musashimaru
10. Round Patience

1曲めが拍がどうなってるかよくわからないような曲で、コード進行はタイトルの通りブラジルな気配を醸す。
この複雑なリズムをしなやかに快感に変えていくドラムが実に見事で、まずはそこに耳が行く。
3曲めは拍は認識できるがそこをちょっと複雑なパターンで叩くドラムで、これはこれでこちらもまた格好良い。
全体としては、ビートのはっきりした曲と、前述の複雑なリズムの曲とが混在したコンテンポラリ系。というかフュージョンに近いような作風の曲が並ぶ。
3曲めとか4曲めとかで印象的なのが黒田のトランペットで、とくにソロでのさえざえしい響きが実に見事で格好良い。
さらに、8曲めだけで客演しているChris Potterのソロが勢いのある素晴らしいソロを聴かせてくれていて満足度は高い。
が、その前の曲でのSamuel Blaisのアルトでのソロも気張った演奏をしていて好感触。
曲の後半ではSergejAvanesovのテナーとのバトル然とした掛け合いで締め括る。
管楽器のソロの後には、がっつりとしたギターソロになだれ込むパターンが多い。
その石黒のギターは、ちょっと歪感のある音色でロックなテイストを感じさせつつ、しっかり伸びやかに弾ききっていて非常にここち良い。
フレーズの端々にKurt Rosenwinkelの影響が垣間見れて、個人的嗜好ではあるがちょっとニヤつかせる。
これも聴けば聴くほどのスルメ盤でありました。

ベストは6曲めにしましょう

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