"渡良瀬~ECHO~" 板橋文夫

2_511.jpg
板橋文夫の名曲「渡良瀬」のさまざまなテイクを集めてきたもので、たぶん初出が5テイク、既出が森山威男の入った2テイク(1,5)であっていると思う。

初出と思われる5テイクは、2曲めが珍しい梅津和時の入ったテイク、3,4曲めが瀬尾竹村とのFITだが4曲めはメロディカを演奏しているテイク、6曲めがブラジルでのソロピアノ、7曲めが1981年のデモという内訳。
1. Umi~Watarase
2. Watarase
3. Watarase
4. Watarase for Melodica
5. Watarase
6. Watarase
7. Watarase

前述のとおり既出の演奏は限られたもので、初出が多いのが最大の聴きどころ。
同じ曲で、大きくうねるような演奏が大半という基本部分は、当然ながら変わらないなか、表現のしかたでこれだけ表情が変わることにも驚く
曲のタイトルからも盛り上げるとなるとそうなるのは自明であるが板橋のピアノのグリッサンドがいずれの曲でも多かれ少なかれこれでもかと登場する。
多分、白眉は梅津さんと演っている 2曲めになると思うが、Fit! Trioでの演奏も相当素晴らしい。
とくに3曲め後半のドラムソロが圧巻
最後がデモとなっているソロピアノでの演奏で、この曲が初登場したのは森山威男の"Smile" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61856239.html )だが、それに前後して録音されたソロということになる!
このアルバムの前に同様のコンセプトの作品が実は出ているのですが、
 "板橋文夫アンソロジー" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0BN1VCTRH/ )のDisk2
そちらは未紹介なれど聴いたことがありまして、大作と言いたくなるような大仰に演奏されたものが多く収録されており、聴き応えというか聴いた後の満腹感はあちら、ジャズらしい勢いのある演奏としてはこちらの方が聴き応えがあるような感じ。

ベストは、7曲めにしましょう

"渡良瀬~ECHO~" 板橋文夫 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0CKBNWGXP )

この記事へのコメント