"涛" 板橋文夫

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板橋文夫の1976年のアルバムで、これが初リーダー作ということになります。
ご本人のhpのディスコグラフィ(https://bowz.main.jp/itabashi/disc/discography.html )では、このアルバムが一番最初に記載されています。
次作が、"Rise and Shine" (https://www.amazon.co.jp/dp/B000CQM0YQ/ )です。

メンツは、ピアノトリオ構成の下記3人。楠本卓司は明田川荘之のアルバムに入っていて聴いていますが、岡田勉は自blogでは引っかかりませんでした。
が、渡辺香津美の"Monday blues" (https://www.amazon.co.jp/dp/B000OXENY2/ )は聴いてますし、1970年代のヒノテルバンドに在籍していた人とのこと。(渡辺香津美さん、心配です..。)
板橋文夫(P)、岡田勉(B)、楠本卓司(Ds)

演奏曲は現在でも人気の有名曲2つが並ぶ。濤は、このアルバム以外では演っていないんじゃないかと思うが..。
1.アリゲーター・ダンス
2.グッド・バイ
3.濤

1曲めの"Alligator Dance"。
大きなうねりを感じさせるサウンドがゴリッとした肌触りで怒涛の如く押し寄せてくる。
2曲めの"Goodbye"。
この曲はそもそもしっとりめな曲調のはずだが、ここでの演奏はしっとりというよりどっしりと言いたいサウンド。
3曲めの"濤"。
これが約20分の大作で、LPではB面のすべてを占める。
初めて聴く曲だったが、前2曲が曲の良さに秀でているだけに、テーマ部が若干判然としないところは弱さになっている気もするが、演奏の迫力は当然ながら負けておらず、続けて聴いて違和感はない。
このアルバムの中では最長で実際のところこの曲が主役になるんだと思う。
いずれの曲もテーマはしっかり演奏され曲の良さを聴かせ、フリーに走ってカオスな迫力になることはなく、演奏の音の圧倒的な迫力で聴かせるという感じ。
いかにも中央線ジャズといったサウンドが迫力たっぷりに堪能できる。
ベクトル的には予想通りだが、執拗以上に暴れまわらないところに逆に凄みが感じられ、期待以上の演奏を楽しませてくれている。

ベストは1曲めにしましょう。

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