"Solo Game" Sullivan Fortner

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Sullivan Fortnerのリーダー作を聴くのはこれが初になります。
これは2023年の年間ベスト大会でかかったのが気になったもので、その後聴く機会を得られたもの

メンツは、Sullivan Fortnerのソロがほとんどを占めているが、実際のところは、disc1はピアノソロで、disc2で他の音も入れているような感じ。
Sullivan Fortner(Vo,P,Key,...)、Kyle Poole (Hand claps:2-2)、Cecile McLorin Salvant(Vo:2-3)

演奏曲は以下のとおり。
きちんとは確認していないが、Disc1はスタンダードを中心としたもので、Disc2はオリジナルが多く締めていると思われます。
Disc 1
1.Don't You Worry About a Thing
2.I Didn't Know What Time It Was
3.Congolese Children
4.I'm All Smiles
5.Invitation
6.Once I Loved
7.Cute
8.This Is New
9.Come Sunday
Disc 2
1.Power Mode
2.It's a Game
3.Snakes and Ladders
4.Hounds and Jackal
5.King's Table
6.Stag
7.Cross and Circle
8.Space Walk
9.Valse Du Petit Chien
10.Fred Hersch, Notes on Solo
11.Jason Moran, Notes on Game

ノリの良い曲からしっとりめの曲まで、低音から高音までしっかり使い切って跳ねるような快活なタッチのピアノを奏でていて、ある種の清々しさを感じさせるような演奏が並ぶ。
基本的には曲の旋律はそのまま、おかずを多めにいれることでサウンドに表情を付け加えていくような感じ。
そこにほどよく効かせるタメがまた良い具合に作用していて、ピアノの巧さ 旨さを存分に楽しませてくれる。
Disc1は9曲すべてをソロでのアコピの演奏に終始しているが、Disc2はシンセだったりオルガンだったり電子音が主体で、裏でビートを刻むような音色だったり、伴奏とベースが入ったり、その他いろいろとさまざまな音を重ねている(多重録音)ようなサウンドがたっぷりと。
d2-2では手拍子が音の厚みを加え、その次の曲ではボイスがそこはかとなく加えられてと、ここだけゲストが入る。
曲調としてもよりシリアスなものが含まれていたり、美しさだけではないある種の挑戦というか実験的なアプローチを感じさせる部分も。
そして最後の2トラックはスピーチで締め括られる。
正直なところ、Disc1だけでも充分作品として成り立っているしそのほうがSullivan Fortnerのピアノをたっぷりと聴かせるという統一感が出てくると思うが、あえて2枚めをいれることで自身のアイデンティティの在処(拡さ)を提示しているようなところだと思うが、きっちり表現できているのかちょっと微妙。

ベストは、d1-4曲めにしましょう。

"Solo Game" Sullivan Fortner (https://www.amazon.co.jp/dp/B0CLYMVM27/ )

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