"Songs of Ascent: Book1 - Degrees" Dave Douglas

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Dave Douglasは独自のレーベル(https://www.greenleafmusic.com/store/dave-douglas/ )を持ってるので、以前から多作で片っ端から聴いているとそれだけでこのblogが埋まりそうなので、最近はあまり近寄らないようにしています。
近作の紹介は、2017年の "Brazen Heart Live at Jazz Standard Saturday" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64217573.html )と、2020年の "Dizzy Atmosphere" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/477239582.html )程度になってます。
2024年になって、2022年のアルバムがメンツ的に気になって、そしたら聴く機会を得られましたのでその紹介です。

本作タイトルのSongs Of Ascentというのが、宗教的な詩編集みたいなものらしく、収録曲の大半がそれに由来したもののようです。
Book1となっているとおりBook2もすでに存在しているらしいが、ごく限られた範囲内での公開に留まっていたようですが、いまはDLできるようです。 https://davedouglas.bandcamp.com/album/songs-of-ascent-book-2-steps

メンツは、2010年代の(自blogでは下記のような)いくつかのアルバムがまったく同じメンツで作られています。
なので、これがレギュラーグループということなんだと思いますが、この面々が揃うタイミングは少ないだろうなと思います。
Dave Douglas(Tp)、Jon Irabagon(Reeds)、Matt Mitchell(P)、Linda May Han Oh(B)、Rudy Royston(Ds)

演奏曲はすべてDave Douglasのオリジナルで全部で8曲
1. Never Let Me Go
2. Deceitful Tongues
3. Lift Up My Eyes
4. Peace Within Your Walls
5. Enthroned
6. A Fowler's Snare
7. Scepter
8. Mouths Full Of Joy

そう高速ではない曲調ではあるが、複雑なフレーズで構成されたテーマを同調したり対立的だったり有機的に奏でていくのが特徴的で、ここがこのアルバムのおもしろさで、聴きどころになるんだと思われる。
当然、両者のソロもたっぷりと時間をとったもので、ハード過ぎないがごつごつとした聴き応えのある演奏をこれでもかと入れてくる。
Dave Douglas、Jon Irabagonの両者の演奏のテイストも違和感があるような乖離はなく、ソロの繋ぎは両者の音が重なるアレンジが多用されるが、これが効果的に効いている。
リズムにあたる3者は、いずれもパルシブなフレーズを多用したような感じで、自由度もかなり高い演奏で、全体としても抽象的でスピリチュアルな雰囲気が醸し出される。
とくにMatt Mitchellのピアノの訥々としたフレーズの抽象度が高いような感じで、個人的にはこの演奏の印象が強く残っている。

ベストは5曲めにします。

"Songs of Ascent: Book1 - Degrees" Dave Douglas(https://www.amazon.co.jp/dp/B0B87H6CGM/ )

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