"Hindsight: Live At La Seine Musicale" Enrico Pieranunzi

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Enrico Pieranunziのリーダー作も参加作も以前はいろいろと聴き漁っていたのですが、そのうちそのリリース量に追いつかないのもあり、徐々に手にも取らない状況が長らく続いています。
自blogの紹介を探すと、リーダー作は2016年までさかのぼります。
 “New Spring: Live At The Village Vanguard”(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63938098.html )
しかもこのときの文章を読んでも「すでにキリがない」なんて書いているので..。
参加作もMads Vindingの1997年の音源が2018年にリリースされたものが出て来るのが最近ってことになります。
 "Yesterdays - live in Copenhagen 1997" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64403620.html )
そういうわけで、本作も積極的に聴こうという意識でもなかったのですがちょうどタイミングが合いまして、紹介にあいなりました。

メンツは、こちらも自blogを漁ったら2009年に同じメンツでのアルバムが見つかりました。
Enrico Pieranunziはトリオといっても、決まったメンツというよりはいくつかの編成パターンがあるようだがさまざまな面々(しかも名手揃い)と多くの作品を作っているので、このメンツもその一環とは言えそう。
実際のところは、このトリオの結成35周年の記念として2019年に行われたライブの実況とのこと。
Enrico Pieranunzi(P)、Marc Johnson(B)、Joey Baron(Ds)

演奏曲は、1曲(5)を除いてすべてEnrico Pieranunziのオリジナルが並んでいます。
1.Je Ne Sais Quoi
2.Everything I Love
3.B.Y.O.H. (Bring Your Own Heart)
4.Don't Forget The Poet
5.Hindsight
6.Molto Ancora (Per Luca Flores)
7.Castle Of Solitude
8.The Surprise Answer

強過ぎないタッチで奏でられる迷いのないフレーズがリリカルでエモーショナルな雰囲気を作り出していく、いかにもEnrico Pieranunziらしいサウンドと言って良いような演奏が並ぶ。
Joey Baronのドラムは、ブラシを多用する繊細さを際立たせたサウンドを中心にしたもの。
Marc Johnsonのベースはこれでもかとメロディアスなフレーズを奏でるが、それが太い音質なのが圧巻。
この両者のバッキングの繊細さと重厚さとの対比がEnrico Pieranunziのピアニズムを浮き彫りにするような効果を生んでいるような感じか。
1曲め、5曲めでのガツんとしたドラムのフィルを入れてくるところとか、最後の曲での小気味良いノリをみせる演奏とか、美麗な中にもインパクトを感じさせる演奏がの心地良くも聴き応えのあるもので満足度はかなり高い。

ベストは、8曲めにします。

"Hindsight: Live At La Seine Musicale" Enrico Pieranunzi (https://www.amazon.co.jp/dp/B0D44YLGJP/ )

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