"After Bach II" Brad Mehldau

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Brad MehldauのAfter Bachの初作は2018年に出ています。
そのときの紹介記事が下記。
今回は、このAfter Bachの2作めとあわせて、Gabriel Urbain Faureをテーマにした"Apres Faure"とを同時リリースしています。
apresが仏語のafterなので、タイトルのつけ方としては同じ様式をとっていることになります。

Brad Mehldau(P)

演奏曲は、Bachの曲の間にBrad Mehldauのオリジナルが挟まれる前作と同様のつくり。
1. Prelude to Prelude
2. Prelude No. 9 in E Major from the Well-Tempered Clavier, Book I, BWV 854
3. Prelude No. 6 in D Minor from the Well-Tempered Clavier Book I, BWV 851
4. After Bach: Toccata
5. Partita for Keyboard No. 4 in D Major, BWV 828: II. Allemande
6. After Bach: Cavatina
7. Prelude No. 20 in A Minor from the Well-Tempered Clavier Book I, BWV 865
8. Between Bach
9. Fugue No. 20 in A Minor from the Well-Tempered Clavier Book I, BWV 865
10. Intermezzo
11. Aria-like
12. Variations on Bach’s Goldberg Theme: Variation I, Minor 5/8 a
13. Variations on Bach’s Goldberg Theme: Variation II, Minor 5/8 b
14. Variations on Bach’s Goldberg Theme: Variation III, Major 7/4
15. Variations on Bach’s Goldberg Theme: Variation IV, Breakbeat
16. Variations on Bach’s Goldberg Theme: Variation V, Jazz
17. Variations on Bach’s Goldberg Theme: Variation VI, Finale
18. Prelude No. 7 in E-Flat Major from The Well-Tempered Clavier Book I, BWV 852
19. Postlud

誰の曲かを意識せずにつらつらと聴いていると、同じ作者とまで特定はできないにしても、同時代の作者のバロック調の演奏が続いてゆくような気分で聴き終わってしまう。 のは、自分の駄耳せい。
Brad MehldauとJ.S.Bachの作品が並んでいることを意識して聴けば、さすがに和声の使い方とかテンポに対する音の入れ方とか、現代の音楽はしっかり現代の音楽であることが如実にわかり判別がつく。
両作者の作品で、左手の使い方とか、音使いというか強弱のつけ方のようなところで、違いを感じさせるような演奏の差異をつけていないところがシームレスに聴き続けられる所以なんではないかと推測。
前作のときも似たようなことを書いていたような...。
その前作の文で、「聴きどころは"After Bach"にあたる部分にあり、バッハにインスパイアされたBrad Mehldauのオリジナリティがどう発展していくかにある」ような記述をしているが、本作ではJ.S.Bach作の部分が、よりモチーフの提示的な扱いになり、Brad Mehldauによるその発展形がどのように表出提示されていくか。
テーマのようなアドリブがバロック調でありながらBrad Mehldauの個性が如実に紛れ込むようなサウンドは、じっくり聴きこむことでその心地良い違和感を堪能するのが真骨頂のような気がする。

ベストは4曲めにします。

"After Bach II" Brad Mehldau (https://www.amazon.co.jp/dp/B0CYGC6JZT/ )

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