"照らす" 魚返明未
魚返のピアノトリオのリーダー作としては3枚めになる作品
過去作は以下のとおり。
"STEEP SLOPE"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63342279.html)
"はしごを抱きしめる" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64675267.html )
この2枚は、楠井五月, 石若駿とのトリオだったが、本作でメンバーを変えてきている。
他にTempと.Pushというユニットがあったり、井上銘とのデュオ作があり、以下のとおり紹介しています。
"Temptation" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/490644583.html )
"NEW PROMISE" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/492591148.html )
"魚返明未&井上銘" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/487809305.html )
メンツは、高橋陸が.Pushのメンバー、中村海斗は2023年の初リーダー作を聴いています。
"BLAQUE DAWN" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/499021152.html )
魚返明未(P)、高橋陸(B)、中村海斗(Ds)
演奏曲はすべて魚返のオリジナルで全部で11曲。
1.曇り空
2.洞窟
3.照らす
4.アルコールジェル
5.間奏曲I
6.棘
7.Normal Temperature
8.間奏曲II
9.昨日の雨
10.夏の駅
11.かけら
魚返のオリジナル曲は本人の見た風景とかその時に本人が感じた印象のようなものを元に作られた曲が大半で、その元となったものはタイトルを見ればおおよそ察しがつくようになっている。
なので、そのタイトルを見ておいて、そこから想起されるイメージを自分なりに思い浮かべながら楽しむのも一興ではあるが、個人的にはタイトルは無視してひたすらに演奏に注視して、その音世界に浸るような感じが好ましい気がしている。
こんな聴き方でも充分にその魅力に聴き惚れるのは間違いない。
そんな魚返の、美しさのなかに、耽美な響き、ゴージャスな雰囲気、美麗なフレーズ、そして激しさを感じさせる場面とさまざまな表情をたっぷりと詰め込んだピアノが実に心地良い。
メロディアスでありながら魚返のピアノをがっちりと支える高橋のベースの強さ。
オンテンポでありながら自由度もたっぷり多彩な表現をしなやかに叩きだす中村のドラム
両者とも、魚返のピアノを邪魔しないような良く抑制を効かせた演奏でありながら、個性をしっかり感じさせる。
魚返本人もこのトリオでまわったツアーで、この3人での演奏に盤石なものを感じていたよう。
ベストは3曲め
"照らす" 魚返明未 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0CX8M7FQV/ )
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