"Rising Sun" Jon Irabagon
Jon Irabagonの演奏はいつも気になっているが、リーダー作はなかなかめぐり合わせが悪く、これまでに2枚のアルバムを紹介しているに留まっています。
もっとも本作もそうですが、プレスのCDでのリリースでなくCD-Rでのリリースが多いのでそんな事情も入手の難易度を上げている要因かとも思います。
"Dr. Quixotic's Traveling Exotics" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64613801.html )
"Behind the Sky" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63570500.html )
ちなみに、本人のhp(https://www.jonirabagon.com/music )には8枚が掲載されています。
とはいえ、参加作も多彩でおおざっぱには以下のような感じ
Dave Douglasの諸作(下記代表例)
"Songs of Ascent: Book1 - Degrees" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/503450896.html )
"Brazen Heart Live at Jazz Standard Saturday" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64217573.html )
Mary Halvorsonの8人編成作
"Away With You" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63959356.html )
Rudy Roystonの初期作
"Rise of Orion" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63996517.html )
本作のメンツはこれまでと全とっかえでワンホーンカルテットにギターとトランペットが客演する曲があるという構成
Jon Irabagon(Ts)、Matt Mitchell(P,Rhodes)、Chris Lightcap(B)、Dan Weiss(Ds)
Miles Okazaki(G:3,6)、Adam O'Farrill(Tp:5,7)
演奏曲は、Jon Irabagonのオリジナル6曲に、Dizzy Gillespie(4)を加えた全部で7曲。
1.Sundance
2.Alliance
3.Hoodootoo
4.Bebop
5.Mammoth
6.Rising Sun
7.Needles
8ビートを基本とした速めのテンポによるシーツオブサウンド然としたメロディアスでありながらハードな演奏が基本
4曲めは、タイトル通りのBeBopの有名曲で、テーマは元曲通りしっかり速いテンポでがっつり演奏するが、その後は、そのまま一筋縄ではいかずフリーな要素を多分に含んだ演奏になだれ込むが、これが格好良くも聴き応えがある
6曲めもノイズ成分を多く含んだとんがったサウンド。
その他の曲もいろいろと尖がった要素を含んだ演奏が並び、体力もいるが聴き応えもたっぷりの演奏を楽しむことができる。
ベースのドロドロした音色で埋め尽くされる空間が全体を独特の迫力で満たしていくような感じ
このサウンドがこの音楽の雰囲気としてはかなり支配的な印象
Jon Irabagonの太々しい音色の熱気のこもったフレーズが、本作ではなんと言っても一番の聴きどころで、これが目当てで購入しているので満足度はかなり高い。
Matt Mitchellのピアノは相対的には軽やかな印象ではあるが、しっかり聴いていると表現は見事だし、渋みのある良い仕事してんなと思わせる
そんな演奏をしっかりまとめているのがドラムで、基本的には全体の演奏に合わせた自由度の高いドラミングという様相でありながら、煽る方向でのリズムキープもしっかり効いていて侮れない
2曲で客演しているMiles Okazakiのギターも、しっかり前面に出てフリー濃度濃いめのゴリゴリの演奏を聴かせていて、これまた満足度が高い
ベストは6曲めにしましょう
"Rising Sun" Jon Irabagon (https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008564468 )
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