"Breaking The Shell" Bill Frisell / Kit Downes / Andrew Cyrille
Bill Frisellの新作は、元ECMのプロデューサであるSun Chungが主催するREDHOOKレーベルからで、パイプオルガンとドラムとのトリオを中心としたもの。
ジャズのアルバムにパイプオルガンが登場するなんて今まであり得ないと思ったら、ECMレーベルではSun ChungプロデュースでKit Downesのパイプオルガンのアルバムが数作リリースされてるらしい(さすがに自分は手を出していない..)。
今作は、当初からパイプオルガンを意識していたわけではなく、Bill Frisellのトリオ作なら買いでしょうという程度のノリで購入しており、聴いていてオルガンというにはHammon B-3とも異なる音色で、よくよく調べたらパイプオルガンだったという次第
メンツは下記のとおり。Andrew Cyrilleのリーダー作も過去にBill Frisell参加作ということで2つ聴いてます。
Bill Frisell(G)、Kit Downes(Org)、Andrew Cyrille(Ds)
Lucy Railton(Cello:4)
演奏曲は、大半が共作を含むメンバーオリジナルで、6曲めがノルウェー,11曲めがハンガリーの古い曲。
1.May 4th
2.Untitled 23
3.Kasei Valles
4.El
5.Southern Body
6.Sjung Herte Sjung
7.Two Twins
8.Cypher
9.July 2nd
10.Proximity
11.Este a Székelyeknél
リズム感はほぼ皆無、インドをそこはかとなく感じさせるようなフレーズを、お経程度の抑揚で聴かせる
実際には上述のとおりオリジナルとノルウェー,ハンガリーと、インドを出自とする要因はないが、個人的にはなんだかインドっぽいサウンドに聞こえている
パイプオルガンの野太い極低音と和楽器の笙のようなか細い高音とが織りなす持続音
(パイプオルガンだからといって荘厳な音というイメージは希薄で、厚みと迫力とが強調されている)に、Mary Halvorsonばりに次元を歪ませたような音をも駆使したBill Frisellのギターとが相互に絡み合って独特な世界を形成してゆく。
格好良いサウンドではないが、ちょっと不思議なサウンドに妙に魅了される
ベストは6曲めにしましょう
"Breaking The Shell" Bill Frisell / Kit Downes / Andrew Cyrille (https://www.amazon.co.jp/dp/B0DFPQFK3S/ )
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