"Fun One" Oz Noy

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Oz Noyはおおよろ年1作のペースでリーダー作をリリースしていて、近作が下記。
昨年の作品がギタートリオで、その前が2ギターのボーカル入りと、アルバム毎に趣向を変えた作品をリリースしてきているが、本作はオーソドックスなカルテット編成。
ちょっと逆のぼってもこの編成のアルバムが出てこないので、それだけでも珍しいところですが、選曲も
これまでと大きく異なっているのは以下に記載。

メンツはいかにもJAZZな面々が並んでいる以下のとおり
Oz Noy(G)、David Kikoski(P)、James Genus(B)、Clarence Penn(Ds)

演奏曲は、最初と最後がOz Noyのオリジナルだが、その間に挟まれる曲が、Miles Davis, Thelonius Monk, Charles Mingus, John Coltrane, Cliford Brown, ..といった名前の作者が並ぶ。曲名を見て、これがOz Noyのアルバムだと再認識して「へぇ」と言いたくような感じ。
1.Fun One
2.Solar
3.Ruby My Dear
4.Wee
5.Giant Steps
6.Sandu
7.Darn That Dream
8.Milestones
9.Improv 1

Oz Noyのアルバムとしては異例の選曲だなというのが第一印象
元曲のテーマは基本的にはあまり崩さず、崩しても元のイメージからは大きく違わない程度にとどめている
リズムに盤石なメンツが揃っているので
しなやかな4ビートが奏でられていて、これがサウンドのベースになる
さらにピアノに名手David Kikoskiが座っているのがかなり効いていて、
とくに頻度高く登場するソロが躍動的でありながらエレガントさのあるもので、アルバム全体のサウンドカラー形成に一役買っている
Oz Noyの音色は、概ねこれまで聴いてきたアルバムで聴かれるものだが、
奏でられるフレーズは「イナタイ」感じは見せつつもスタンダードを演るのに適したフレーズを
しっかり考えたうえでのサウンドになっていることをしっかり感じさせる。
3曲めはアコギを起用、5曲めのGiant Steps、8曲めのMilestonesはゆったりテンポで奏でられ、6曲めのギターソロはだいぶブルース色が濃く出ている
これまで多くのコンテンポラリ系ギタリストのスタンダード集を聴いているが、そのどれとも雰囲気が異なるスタンダード集に仕上がっている。
それでいて独特の良さをしっかりと感じさせてくれる

ベストは6曲めにしましょう

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