"Punctum Visus -視角-" 謝明諺

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謝明諺のリーダー作は地元台湾では出ているんだと思いますが、これまで聴いていません。
国内発売のスガダイローとの双頭作は聴いていまして
参加作は市野さんのリーダー作があります。
さらにライブも体験しています。
そんな謝明諺の本邦初のリーダー作が出るってんで楽しみに待っていたものであります。
タイトルの"Punctum Visus"はラテン語で、訳すと"視点"と出てくるので、テーマは"視"ということになるんでしょう。

メンツは、全員日本人で以下のとおり。上記参加作では共演していなかった面々を揃えています。
謝明諺(Ts,Ss)、山崎比呂志(Ds,Per)、大友良英(G)、須川崇志(B)

演奏曲は以下のタイトルなのですべてフリーインプロってことになります。
1. Punctum Visus #1 (09:19)
2. Punctum Visus #2 (04:32)
3. Punctum Visus #3 (02:49)
4. Punctum Visus #4 (14:42)
5. 視角 #1 (06:31)
6. 視角 #2 (15:32)
7. 視角 #3 (03:18)
8. 視角 #4 (04:32)

上述のとおり、曲のタイトルを見れば一目瞭然、すべてフリーインプロで構成されている
冒頭にある曲、曲の冒頭は、たいがいのフリーインプロがそうであるように、お互いがお互いの様子を探るような、それぞれ控えめな音出しから始まる
そして徐々に、ドラムのまき散らすような音出しが通奏的に鳴り響くなか、謝のサックスが場を切り裂くようにサックスを響かせテンションが上がっていく。
大友のギターは、前半では鐘の音のようなゴーンという音を多用しており、いつもの歪み感ノイズ感のあるサウンドとは異なる
そしてアルバムが進行して後半の"視覚"になると、大友のギターも大友らしいノイズ感のあるサウンドが登場してきて、だんだんとよりカオスな世界が色濃く雪崩れ込んでくる
大友のギターは若干控えめな印象なのは、フロントはあくまでも謝のサックス。というところをしっかり抑えているからのような気がする。
そんななんで、謝のサックスが終始バリバリ吹きまくっている
途中、小休止的な静かな場面になるところもあるが、そこでも謝のサックスは全体の雰囲気を読んだ音出しを続けてゆく
要するに、ほとんどずっとサックス吹きっぱなし
何度か聴いていて、大友のギターもそうだし、須川のベースも、ゴーン、カーン、チンとか、鐘を打ち鳴らすような音を多用しているのが印象的で、この音色が裏テーマ的になっているのかも
最後は、タイトルは「視覚」だが、実際はLonely Womanを大幅に取り入れた曲で、これで終了

ベストは5曲めにします

"Punctum Visus -視角-" 謝明諺 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0FC72WKDY/ )

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