"Peace Unknown" Art Hirahara
Art Hiraharaもものすごく人気が出てきていると思います。
PosiToneレーベルの稼ぎ頭になっているんじゃないかと思います。
リーダー作もさることながら、レギュラートリオであるBoris Kozlov, Rudy Roystonを中核に、多少の入れ替えも含めての参加作も尋常でない量が出ています。
リーダー作
"Good Company" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/505685880.html )
"Echo Canyon" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501774032.html )
"Verdant Valley" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/498049060.html )
"Balance Point" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/475116210.html )
"Open Sky" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/484130859.html )
最近の参加作
Diego Riveraの"Ofrenda" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/515326073.html )
Ryan Keberleの"Bright Moments" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/505864443.html )
さらにレーベルの企画盤なんてのにも
"Force & Grace" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/514261956.html )
"In Jazz We Trust" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/515540745.html )
そんなArt Hiraharaの最新作は、複数の管をいれた中規模編成によるもの。
メンツは、基本4管、2曲は5管で、リズムはArt Hiraharaのレギュラートリオが担う。
Alex Sipiagin(Tp)、Diego Rivera(Ts)、Patrick Cornelius(As)、Michael Dease(Tb)、Markus Howell(As:3,5)
Art Hirahara(P)、Boris Kozlov(B)、Rudy Royston(Ds)
演奏曲はすべてArt Hiraharaのオリジナルで、全部で9曲。
1.Peace Unknown
2.Anonima
3.Irons In The Fire
4.The More Things Change
5.Drawing With Light
6.Brooklyn Express
7.The Looking Glass
8.Father's Song
9.Two Cubes
ほとんどが4ビートで構成されていて、アレンジは古来からのビッグバンド的なサウンドを踏襲している
冒頭曲こそ、ひたすら美しいフレーズを美しいハーモニーで奏でることで新しい音世界を表現しているが、2曲めはスウィング時代を彷彿とさせるような音作りになっている。
たぶんだが、普段はコンテンポラリ系の新しいサウンドを構築する方に腐心しているが、自分の感性を伝統的なサウンドの中で発揮させてみたい欲求が出てきてそれを叶えるために作り上げたんじゃないかと邪推
テーマを音の厚みを持たせたアンサンブルで聴かせ、各人のソロへ続く展開はごくごくオーソドックスなスタイルを踏襲している
ただし、4ビートではあるが少し凝ったスウィング感だったり新しさを感じさせるリズム感だったりと、いにしえのサウンドとは一線を画すようなところはしっかり抑えたものになっている
主にRudy RoystonのドラムとArt Hiraharaのバッキングでのフレーズが、そのように感じさせるんでしょう
管楽器のソロも、熱さとか勢いとか渾身とかいう語が似合わない、クールであまりヘヴィな印象にならない端正なサウンドを聴かせるところは、新しいサウンドに寄せているところと感じられる。
全体としては、古い時代のビッグハンドのごっついサウンドを骨格にして、最近のラージアンサンブルのテイストを入れ込んだような仕上がりと言えるんじゃないかと思う。
ベストは3曲めにします
"Peace Unknown" Art Hirahara (https://www.amazon.co.jp/dp/B0FBDFRDHR/ )
この記事へのコメント