世界最高のジャズ

元「ジャズ批評」誌編集長で、「コルトレーンを聴け!」なる強烈な本を書かれている[原田和典]氏の
新書版著作であるところの「世界最高のジャズ」(http://www.bk1.co.jp/product/2703479)です。

彼が「ジャズ批評」誌の編集長時代に、季刊だったこの雑誌は隔月刊になりました。総ページが減りました。
内容が、ちょっと??という感じになりました。と思ったら、編集長止めちゃいました。
これから、雑誌色を明確に打ち出して、販売部数を復興しなければ行けない矢先に。。。と感じました。
個人的には、なんか無責任なヤツだなぁという印象を持ちました。
もしかしたら、経営者の編集方針の変化についていけなかっただけかも知れませんが。。。


さて、書籍の紹介です。
ジャズ批評誌でも、コテコテデラックスなる本を出すくらい、王道とはかけ離れた部分に価値を見いだす
かなりとんがった人という印象を持って、目次も見ずに買い込んできて、目次を見ずに読み始めたのですが...

見事なほど、王道突き進み的紹介に終始してまして。。。ちょっと期待はずれ
サッチモ、エリントン、パーカー、パウエルにディヴィス と来ちゃったら・・・
じゃぁ、文体は? というと、なんか読んだことのあるフレーズが多いような。。。山口孝、中山、後藤、
村井(敬称略)とかの感じがところどころにあらわれて。"鬼"と言う言葉の表出頻度が高い気がするなぁ

と、ネガティブなことをたくさん書きましたが、それでもなんだかんだ言って文章に勢いがあって、一気に
読ませてくれます。
過去にもジャズの超巨匠についての紹介文というのは、いくつか本が出ていると思いますが、特に堅苦しい
書き方をしていないし、ごく簡単な歴史と、著者が惹かれた演奏(アルバム)が羅列され、一言紹介に終始し
あぁ、こんなアルバムがあるのか、このレーベルだと、コレよりコッチのほうを買ってみようかなんて
感じで、いろいろ楽しく考えながら読み進められました。

最後の最後にアルバム単位で30枚ほど、新しめ('70以降)のヤツが紹介されています。
これも、特に目新しい感じの盤はあまりありませんが、それでもそれまでの章を考えれば、充分とんがった
紹介になっている・・・・のかなぁ。。。。


「ジャズ構造改革」で、往年の巨匠の演奏の再評価が・・ なんて書いてありましたが、その実現の1つ
という位置づけなんでしょうねぇ

まだ本を書くでしょうから、もっととんがったヤツを紹介するような本も書いて欲しいもんです。

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