相倉久人 "新書で入門 ジャズの歴史"

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ジャズの入門書、しかも歴史なんて本は、もしかしたら久々に読んだかもしれません。
嘘、(http://www.bk1.co.jp/product/2556518)を、最近読んでいる。
ジャズ批評家の書いた、ジャズの歴史本というのは、久々に買ったような気がします。
多分、(http://www.bk1.co.jp/product/20038)が、一番最近だと思う。
ということで、近年のジャズの歴史についての言及も目次でみかけたので、その辺の興味を持って
買い込んで来ました。

内容は、どこかの学校でやった講義を元に、講義録にはしないで、新に書き起こしをしたものだそうです。
しっかり、奴隷制度の当たりの話から始まって(冒頭で述べたとおり)最近の話題まで抑えてあります。
全体に、ジャズの歴史の大きな流れを中心に書かれていまして、歴史的な代表アルバムを網羅するような作り
でもなく、人名が羅列されているような作りでもなく、はたまた米国の話題に終始するわけでもなくという
感じの内容になっていまして、普通ジャズの歴史では触れられるあの人の名前が見られないというような
部分もありますが、大きな流れとして捉えた場合には、妥当な構成になっている(筆者の意図は達成できている)
と思います。
ただし、1970頃までは ですが。

1970頃以降、現在までについてもそれなりにしっかり書かれているのですが、この部分は、歴史として書く
には幅が広くなりすぎているので、ちょっと無理が出てくるような気がするので、総括するのは非常に難解
だと思っています。なので、筆者には果敢に挑戦する意義はもちろんある(数多く出ると、その中で部分的
取捨選択が起こった後、だいぶ良い感じの俯瞰が出来上がると思う)のですが、読者には、鵜呑みにしては
いけないという足枷(これ、違うんじゃないの?がないと先に進まないと言う意味も含めて)がつくことに
なるわけで、自分もここで「これ、違うんじゃないの?」を表明すれば良いんですけど、割愛(汗)

この筆者は、"大きな流れ"が存在しなくなって、たくさんの"小さな流れ"ができていて、その中から
(時期時期で)元気の良い流れをいくつか紹介するという手法を、哲学的難解な言い回しで、煙幕をはり
つつ書かれています。

しかし、昭和6年生まれだそうですが、ジョンゾーン、デレクベイリー、キップハンラハン、菊地成孔
まで、名前が出せる(ということは、相応に聞いているということだと信じて)というのは、なかなか
たいしたお方だと思いました。70歳でDCPRGは凄いと思います。

相倉久人さんて、昔からこの手の本を書いている、日本ジャズ批評業界では、重鎮にあたるお方だと
思うのですが、油井正一さんが生きていたら、菊地成孔まで食指が伸びていたであろうか...

ちなみに、前半は全然問題なく読みやすいです。後半の哲学的な部分も含めて、極力平易に書く努力は
されているようなので、読めるとは思います。
新書なのでそう高価でもないですし、近年のジャズについての文章にご興味があれば、一読をお奨めします。



相倉久人 "新書で入門 ジャズの歴史"(https://www.amazon.co.jp/dp/B00ASUY0E4/)

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