CLIFFORD JORDAN "IN THE WORLD"

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先頃CDが発売になった、幻の名盤と言われていたクリフォードジョーダンの"IN THE WORLD"です。

元々この盤の存在を知らなかったので、特にCD発売になったからといって、感激したり感動したりということはなかったのですが、雑誌やWEBでの絶賛文を読んでいると、聴いてみたくなるのは人情でタイミングを見計らって入手してきました。

いわゆる歴史的名盤というよりはジャズ喫茶の名盤的な話題が多かったので、演奏はかなり聴き応えがあるんじゃないかと期待はできたので、買うにあたっての心配というのはかなり希薄でした。

事前情報では、なにしろ1曲目の"Vienna"が聴きものであるということになっていたので、まずは1曲目がどんなシロモノか?が、興味の中心となります。

ちなみにメンツは以下の通り(但し1曲目)
Don Cherry (Cor), Julian Priester(Tb), Clifford Jordan(Ts), Wynton Kelly(P), Wilbur Ware(B)
Richard Davis(b, cello), Albert "Tootie" Heath(Ds)
録音は、1969年で、発売は1972年なんだそうです。
このブランクが、販売側が、時代が追いつくのを待っていたのか?と思わせますねぇ(笑)

で、どうだっったかと言うと、哀愁漂うマイナー調のテーマに乗って、フリーキーな音が宙を舞うような演奏という感じで、哀愁の中に潜む狂気を見事に表現しているということで、約17分の演奏なのですが全然問題なく一気に聴けてしまう構成と勢いとがありました。
聴いていて、ONJQの"eureka"とか、渋さ知らズの作品ほか、国内の(特に中央線的な)フリージャズとかと似ている感じを受けまして、日本人受けする楽曲なんだなぁということと、正統的に現在までこのスタイルの演奏が継承されていることを知りました。

逆に言うと、この盤(曲)が良いなぁと思った人は、最近の邦人ジャズ(の一部)は、充分嗜好が合うと思われるということです。

残りの3曲は、水準以上の演奏だとは思いますが、さりとて取り立てて唸るような演奏という感じに聞こえなかったというほどに、やっぱり1曲目なのね と言うことなんだと思います。


CLIFFORD JORDAN "IN THE WORLD"(http://www.hmv.co.jp/product/detail/1242861)

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